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  • 更新日 2017年9月20日
  • 青梅市「広報」より
    《第八回》青梅市の文化遺産

    「星空」という自然環境
    掲載日 平成29年8月15日

    夏は七夕の季節でもあり、夕涼みを兼ねて夜空を見上げる機会も増えそうです。普通、七夕の星というと、彦星(牽牛けんぎゅう、わし座のアルファ星アルタイル)と織姫星(織女しゅくじょ、こと座のアルファ星ベガ)の2星を言います。

    この二つの星は1等星よりも明るいので、街中で夜空を見上げても、すぐにそれと分かります。気になるのは、この二つの星の間を流れる淡い天の河(銀河)が見えるかどうかです。

    現在、私の自宅(新町地区)では、天の河はまず見られません。周辺の街灯や看板の明かりが、淡い星の光をかき消してしまうためです。東の低空から広がる都心方面の明かりも、大きな障害になります。

    しかし、今から30年ほど前までは、自宅で天の河を見ることは難しいことではなく、淡い流れを追いかけることができました。暗かった夜空が、増加する人工光により、少しずつ明るくなってしまったのです。こうした変化は、青梅市内のあちこちで進行しているはずです。

    御岳山は、かつて高尾山と並んで、都心に近い星見スポットとして、人気がありました。私も通った経験があります。

    しかし、どちらも現在はあまり注目されません。市街地ほどではないにしても、星は見づらくなりました。頭上に広がる星空は、身近な自然の一つですが、そこにも人の営みが反映されます。

    天の河や6等星までの星がはっきりと見える暗い星空は、七夕を楽しむためにも、今や貴重な自然環境になりつつあります。

    問い合わせ郷土博物館

    ☎23・6859

    市文化財保護指導員
    櫻岡 幸治
    △御岳山からの星空△御岳山からの星空
    「広報おうめより」
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