夢の解釈

平成26年08月24日(日)

 急に言いようのない息苦しさに襲われました。

 壁に小さなドアがありました。

 ドアを出れば、外の空気が吸えます。

 私はカバンの中から折りたたみ傘を取り出しました。雨も降っていないのに、どうしてそんなものを取り出したのかは分かりませんが、片時も手放してはいけない大切なものだという意識だけははっきりとしていました。

 夢は理不尽なものなのです。

 体を屈めてドアから外へ出たとたん、うしろでガチャッと鍵のかかる音がして、私の前には鬱蒼としたジャングルが広がっていました。

 樹木の中に見え隠れする岩石の間を縫うようにして細い道が続いています。締め出された私としては前進するしかありませんが、道は球体の表面を行きつ戻りつ、ときに見上げるような登り坂があったかと思うと、滑り落ちそうな下り坂が現れたりしながら、まるでアスレチックのように続いています。最上階にいたのですから、下へ下へ向えば地上に降り立つはずなのですか、視界を緑に奪われた足場の悪い一本道は一歩を運ぶのが精一杯で、方向を変えるとすれば、時折り絶壁から垂れ下がる鉄の梯子を上るか下りるしかありません。

 長い間歩いて立ち止まった場所に見覚えがありました。私は突然、言いようのない恐怖に襲われました。球体の表面には終わりがないのです。私はつづら折りの道を行ったり来たり、崖をよじ上ったり、足を滑らせたりしながら、同じ円周をぐるぐると、エンドレスの運動をさせられているのかも知れません。

 ドアから出るときに携帯電話を持って来なかったことを後悔しました…と、茂みの中から一組の中年の男女が現れました。

「済みません、地階に行くにはどう行ったらていいのでしょうか…」

 二人は返事をする代わりに、ついて来いという表情を見せて先に立ちました。やがて二人ははるか上方へ続いていると思われる鉄梯子をよじ上り始めました、どこに続いているのかは生い茂る樹木に隠れて窺い知れません。遅れてなるものかと私も後に続きましたが、片手を折りたたみ傘で塞がれている私は、二人のような速さでは上れず、距離はどんどん離れて行きます。私は梯子の途中で傘を腰のベルトに挟もうとしましたが、傘はベルトをすり抜けて見る見る落下して行きました。私は傘など諦めて二人を追うべきだと判断しましたが、体はなぜか傘を拾いに梯子を降りて行くのです。