Ome navi
Aoume
  • 更新日 2014年7月30日
  • 青梅市「広報」より
    《第百六十回》ふるさとの文化財

    石棒せきぼう
    【市有形文化財】
    掲載日 平成26年7月15日

    石棒せきぼうは縄文時代の遺物で、棒状の両端または片端にふくらみがある磨製石器です。縄文中期には100cm前後の大形石棒が製作され、後期晩期には40~50cmほどと短くなります。儀礼・祭祀に用いられたと考えられています。

    市内の遺跡からは時々発見され、計12本が出土しています。特異な形からか、幾つかは神社やほこらに奉納されています。ほとんどが破損した状態で出土するなか、今回ご紹介する石棒は完形で、長さ約89cm、最大部の直径約14cmと大型で、頭部が二段にくびれた形をしており、市有形文化財に指定されました。東青梅六丁目の勝沼城跡南東に位置する、「おしゃもじさま」と称される小祠の御神体としてまつられています。

    「おしゃもじさま」は、石棒や丸石など石に霊力が宿るという、石神いしかみ信仰から生じました。石神はシャクジとも呼ばれ、石神いしがみ石神井しゃくじいなどの地名となりました。さらに、杓子しゃくしとなって、「おしゃもじさま」と称されました。また、石神せきじんせきに通じるため、咳の神様となりました。やがて、しゃもじを奉納して、風邪や病気平癒も祈願されるようになりました。子どもが百日咳などの病気になると、奉納されたしゃもじを借りてきて、枕元に置いたり、御飯を盛って食べさせたりして、快癒すると、御礼に新しいしゃもじを納めるならわしが生まれました。

    「おしゃもじさま」へは、都営バス停「妙光院」から、徒歩5分です。

    問い合わせ 郷土博物館電話23-6859

    市文化財保護指導員
    三好ゆき江
    石棒
    base base base