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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第六十一回》ふるさとの文化財

    森下町もりした山車人形だしにんぎょう
    【青梅市指定有形民俗文化財】
    掲載日 平成18年4月15日

    青梅大祭には、神功皇后(住江町)、神功皇后と武内宿弥(本町)、静御前(仲町)、日本武尊(上町)、武内宿弥(森下町)の山車人形がそれぞれ飾られます。

    森下町の山車人形は約150年前の嘉永年間(1848)に、神田三河町四丁目(現千代田区神田司町二丁目)が所有し、神田明神祭の祭礼番付三十一番として天下祭に参加していました。 法橋仲秀英の作であり、『江戸重層型』山車の高欄上に飾られていたものを、明治4年に山車とともに買ってきたと言われています。 しかし、明治44年に電線を設置する折、山車の改造が行われ、山車は現在の『屋台型』になり、その時人形も降ろされて民家に飾られるようになりました。

    都指定有形民俗文化財の旧稲葉家住宅に飾られる武内宿弥は、景行、成務、仲哀、応神、仁徳の五代に仕え偉功があったという伝承上の人物です。 人形の周りには山車の二層部分に張られていたあざやかな緋色ひいろ羅紗地らしゃじに、三体の銀色に輝く「わだかまる龍」の見事な刺しゅうがある幕が張られています。 宿弥は軍装に身を包み、腰には立派な大太刀と腰刀を付け、左手はその腰刀を握り、右手には、海水につければ潮水を満ちさせる呪力があるという「満珠まんじゅ」を高くかかげ、それをまさに海へ投げ込むような形相の躍動ある姿をしています。

    山車の上に高く飾ってあった宿弥の人形は、下から見上げるとさぞかし勇壮であったと思われます。

    5月2・3日の大祭には、山車の上での囃子や舞の競演とともに各町内の人形を見て回り、かつての青梅宿の繁栄と文化に触れてはいかがでしょうか。

    これらの人形は、昭和43年に市の有形民俗文化財に指定されています。

    市文化財保護指導員
    儘田 小夜子
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