青梅ナビ

例年5月2日・3日に行われます青梅大祭に、旧祭礼町五町ではかつて三層勾欄こうらんの山車の上に住江町（神功皇后じんぐうこうごう）・本町（神功皇后と武内宿祢たけうちすくね）・仲町（静御前しずかごぜん）・上町（日本武尊やまとたけるのみこと）・森下町（武内宿祢）が飾られていましたが、明治の終わりころに電線設置のため、山車が現在曳ひかれている「屋台型」に改良されると同時に人形も山車から降ろされ、それぞれの町内の人形場で飾られるようになりました。

昭和43年に市の有形民俗文化財に指定された仲町の山車人形は、平安時代末期の武将・源義経の想い人であった白拍子しらびょうし（男装で唄い舞う遊女）の静御前が舞っている姿です。その姿からは壮麗さが感じられます。

金色の立烏帽子たてえぼしを紫の紐で結び、舞衣の上に黒の三つ巴紋を刺繍ししゅうした腰帯をし、そこには太刀を付けています。赤地に金襴きんらんの大口袴をはき、背には大きな金色の御幣ごへいを負い、左袖を構え、右手に扇を持ち少し前かがみで、目もやや伏せ気味です。その凛りんとした姿からは、義経を想い慕いながら「しづやしづしづのをだまき繰り返し昔を今になすよしもがな」「吉野山峰の白雪踏みわけて入りにし人の跡ぞ恋しき」と舞ったことにより、源頼朝を激怒させた鎌倉・鶴岡八幡宮での静御前が目に浮かんでくるようです。

作者は不明ですが、江戸後期の製作ではないかと考えられています。

5月2日・3日の青梅大祭には、山車やお囃子と共に各町内の山車人形もぜひご覧になってください。