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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第八十八回》ふるさとの文化財

    報恩寺ほうおんじ地蔵堂じぞうどう地蔵半跏像及じぞうはんかぞう及び胎内短冊たいないたんさつ
    【青梅市指定有形文化財】
    掲載日 平成20年7月15日

    地蔵堂は今寺一丁目にある報恩寺の山門を入った左手に建つ、簡素な住宅的外観の御堂です。大きさは正面側面とも3間、屋根は銅板葺宝形造どうばんぶきほうぎょうづくりです。内部は、中央に厨子ずしが載る須弥壇しゅみだんがあり、その後に、華やかな桃山時代の特色を示す組物などを持つ2本の来迎柱が立ちます。文禄5年(1596)の屋根き替えを示す棟札ものこされており、地蔵堂は桃山時代の建築水準の高さを示す仏堂として、市有形文化財に指定されました。なお、昭和47年の解体修理で、多少改変されています。

    地蔵堂内の厨子には、地蔵堂の本尊延命地蔵が安置されています。高さ39.5cmのヒノキ材割ぎ造りで、片足をもう一方のもも)の上に組む半跏はんか像です。室町時代の永正9年(1512)に三田氏宗・政定父子が鎌倉から招聘しょうへいした仏師下野法橋弘円しもつけほっきょうこうえんにより造像されました。

    地蔵の胎内には「たのむぞよ ながく命をのぶるてふ 仏の御名を身にしたくへて 政定」と墨書された直筆の短冊が納められています。地蔵半跏像及び胎内短冊は市有形文化財に指定されています。

    延命地蔵は、その後、延命だけでなく子育て・安産・火防ひぶせなどさまざまな願いをこめて、地元はもちろん広範な地域の人々から信仰され続けてきました。その御開帳が年に一度、7月23日に行われます。ぜひお出かけください。

    報恩寺へは、河辺駅か東青梅駅から西武バス「入間市駅」行きか「原今井」行きで、「第三小学校前」下車、北へ徒歩5分です。

    市文化財保護指導員
    三好 ゆき江
    地蔵半跏像
     参考資料
    『青梅文化財・史跡・天然記念物』より
    胎内短冊
     参考資料
    『青梅文化財・史跡・天然記念物』より
    地蔵堂
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