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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百三十五回》ふるさとの文化財

    海禅寺総門かいぜんじそうもん
    【青梅市指定有形文化財】
    掲載日 平成24年6月15日

    二俣尾駅の北東に城壁のような石垣に白塀、急な石段上の重厚な山門にクスノキ(市指定天然記念物)の大木が生い茂る海禅寺があります。寛正年間(1460~1466)開山と伝わる古刹で、中世この地を支配していた三田氏の菩提寺としても知られますが、永禄年間(1558~1570)前期に三田氏が滅ぼされた際、兵火で灰燼かいじんに帰したといわれます。しかし天正3年(1575)には正親町おおぎまち天皇より勅願所に列せられ、江戸時代寺領15石の朱印状を拝領し、末寺42院を持つほどに栄えたといいます。

    この海禅寺の入り口は、青梅線を隔てた青梅街道沿いの総門です。この門は、慶長17年(1612)建立といわれる境内最古の建物で、昭和43年に市の有形文化財に指定されました。一間一戸の四脚門で、屋根は 切妻造きりづまづくり茅葺かやぶき型銅板葺です。この総門は数々の変遷で現在の場所にあります。大正9年(1920)青梅鉄道が二俣尾まで延びた際、線路が参道をまたぎ本堂と分断されます。その後昭和9年(1934)青梅街道拡幅のため5m程北寄りに移されました。昭和59年の海禅寺出火の際は、この門が消火活動に支障をきたし、総門を通る参道が市道に編入されたこともあり、平成7~8年に行われた解体修理の際に参道西側の現在の場所に移されました。

    海禅寺境内はサクラやツツジの花で知られていますが、かつてこの地は桃の名所であったそうです。総門の前には室町時代の歌人・三条西実隆さんじょうにしさねたか三条西実隆や、青梅の文人・根岸典則らが桃の花を詠んだ歌碑があります。

    市文化財保護指導員
    須﨑 直洋
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