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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第四十八回》ふるさとの文化財

    海禅寺境域かいぜんじけいいき
    【東京都指定史跡】
    掲載日 平成17年3月15日

    海禅寺は、曹洞宗の寺で、寛正年中(1460~1466)の創建といわれています。境域は、東京都の史跡となっています。鎌倉時代末から戦国時代にかけて青梅付近を支配した三田氏の菩提寺で、背後の辛垣山には、三田氏最期のとりでが築かれていました。

    海禅寺総門は、桃の歌碑とともに青梅街道沿いに建てられています。元は、東側の市道中央にありましたが、平成7年の解体修理の際に現在地に移されました。江戸時代初期の建立とされ、市指定有形文化財となっています。 総門から続く石段を登ると、みごとな山門に迎えられますが、屋根の破損が進み修復を急がれる状態となっています。山門右手に鐘楼、その後ろに楠木くすのき枝垂しだれれ桜の大木があります。枝垂れ桜は、3月末にそれは美しい花の滝となります。

    本堂は、曲折を経て再建を繰り返し、近くは昭和59年に消失し、その際市有形文化財の三田氏累代の位牌も失われました。本堂左側の山裾に「三田氏一族の墓」といわれる四基の宝篋印塔ほうきょういんとうがあり、本堂裏の墓地に登る途中には、三田氏最後の当主綱秀の首塚といわれる五輪塔があります。また七世住職天江東岳は、正親町天皇から禅師号までいただいた名僧で、天狗と問答して書を書かせたというエピソードを持っています。この書は、幸いにも火災を免れ寺宝として現在も残されているということです。

    海禅寺へは、JR青梅線二俣尾駅下車3分です。

    市文化財保護指導員
    小川 秋子
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