掲載日 平成13年12月15日 |
塩船にある観音寺は、真言宗醍醐派の寺院。 山号を大悲山と称し、本尊は十一面千手観音像(都指定有形文化財)です。 寺伝によれば、大化年間(645~650)に若狭の その後、天平年間(729~749)に僧行基が堂字を再興し、辺りの地形が舟形に似ていたため、仏が衆生を済渡する「弘誓の船」に擬して塩船と名付けたといいます。 平安時代に入り、貞観年間(859~877)には比叡山延暦寺の僧安然が来山、観音堂を再興、阿弥陀堂、薬師堂を造営、杉本坊、円林坊など12坊を整えたほか、七社権現を勧請し、寺運は隆盛に向かいます。 室町時代後期には、当地の豪族三田氏からも崇敬され、諸堂諸仏の修理が行われました。 江戸時代には幕府より、5石の宋印状も下付されています。 こうした当地の古い歴史を伝える寺院であることから、昭和28年11月3日に寺域が市の史跡に指定されました。 また、重要文化財の仁王門、阿弥陀堂、本堂、都有形文化財の木造二十八部衆立像など貴重な文化財を多く伝え、当時の人々の信仰心、経済力、芸術感覚などに思いを巡らすこともできます。 観音寺を訪れると、丘陵の小尾根の末端に仁王門があり、尾根づたいに阿弥陀堂、本堂が現われ、堂宇が地形を巧みに利用し配置されていることがわかります。 境域とその背後の丘陵地には、オオタカをはじめ動植物も多く見られ、自然観察やハイキングにも格好な場所となっています。 ※所在地は、塩船194番地。 河辺駅から多摩バスまたは都営バスに乗り、「塩船観音入口」下車、徒歩5分です。 | |
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市文化財保護指導員 櫻岡 幸治 | ||
仁王門 | 阿弥陀堂 | 観音堂(本堂) |
薬師堂 | 銅鐘 | 大スギ |