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  • 更新日 2013年8月17日
  • 青梅市「広報」より
    《第百二十四回》ふるさとの文化財

    観音寺仁王門かんのんじにおうもん
    【国指定重要文化財】
    掲載日 平成23年7月15日

    塩船観音寺の入口にある仁王門は、門の左右両脇に、都有形文化財指定の金剛力士(仁王)像を置く茅葺かやぶきの八脚門で、観音寺の山号大悲山だいひざん扁額へんがくがかかります。八脚門とは、門の前後に8本の柱が建つことによる構造的な名称です。門は寺域内の観音堂(本堂)、阿弥陀堂と共に室町時代の建立とされ、いずれも国の重要文化財に指定されています。

    門の構造は素朴ですが、厚味のある茅葺き屋根が外観に安定感を与えています。門を覗くと直線的な参道の先に阿弥陀堂が見え、かれるように足を進めると、自然に観音堂までの伽藍がらん配置を辿たどることができます。

    門に近付き、茅葺き屋根を見上げると、所々で茅が毛羽立つように引き出されています。恐らく、カラス(ハシブトまたはハシボソガラス)が巣作りの材料(巣材)として、引き抜きかけたものでしょう。茅葺き屋根は動物が茅を巣材等の為に引き抜いたり、茅の中に潜む小動物を食べるために穴を開けたりすることでも寿命が縮みます。最近は、野生化した外来種のアライグマが、檜皮葺ひわだぶきの屋根に穴を開けた事例もあるようです。アライグマによる文化財の被害は増加傾向にあると聞きます。仁王門の軒下に張られたネットは、対動物用のものでしょう。人工物を巡る人と動物の駆け引きは、単に歴史ということではなく、現在進行形の形で見ることができます。

    観音寺仁王門へは、塩船観音入口バス停から徒歩約8分です。

    市文化財保護指導員
    櫻岡 幸治
     参考資料
    『青梅文化財・史跡・天然記念物』より
     国指定の重要文化財  観音寺の山号大悲山だいひざん扁額へんがく

    仁王門左右側の金剛力士立像(東京都有形文化財指定)阿吽あうんの像が安置されています。

    仁王門右側の金剛力士立像(東京都有形文化財指定)阿吽あうんうんの像が安置されています。

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