Ome navi
Aoume
  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百三十九回》ふるさとの文化財

    観音寺かんのんじ青石塔婆あおいしとうば
    【青梅市指定有形文化財】
    掲載日 平成24年10月15日

    青石塔婆あおいしとうばは石で造られた板碑いたびで、鎌倉~室町時代にかけて特有のものです。市内には多くの板碑が残っていますが、このうち7件が市有形文化財に指定されています。

    塩船観音寺に収蔵される永仁四年(1296)建立の結衆逆修けっしゅうぎゃくしゅう板碑は、このうちの一つで、武蔵名勝図会など諸書にも紹介される有名な板碑です。青梅市周辺の同時代に造られた著名な板碑と比べても、はるかに丁寧入念の作で、鎌倉時代の板碑としてまれにみる優秀なものです。また、高さ203cm、幅は63cmで、東京都で最大の大板碑です。

    上部の弥陀種子みだしゅしの下には「願以此功徳 普及於一切我等与衆生 皆共成佛道」の文字が右から4列に並び、中央には「永仁二二年丙申九月一四日」と大きく、その下に「大勸進僧成円だいかんじんそうせいえん」と刻まれています。「永仁二二年」とは、四の字を嫌ったため二と二に分けたもので、永仁四年のこととされます。下部には右側に「奉造立ほうぞうりつ一百余人ひとひゃくよにん」、左側に「逆修卒都婆也そとばなり」と刻まれた文字がはっきりと読み取れます。

    文永元年(1264)観音堂(本堂)本尊の十一面千手観音像造立後、33年という観音に結縁けちえんする年数に合わせ、33年後に僧成円と百余人の結衆により造立されたとされます。

    この板碑は、保護管理のために板碑堂に収められていて、正面のガラス戸越しに拝見することができます。

    観音寺には東青梅バス停または河辺駅北口から都バス(梅77)で塩船観音入口下車、徒歩7分です。

    市文化財保護指導員
    久保田 繁男

    観音寺の青石塔婆

    base base base