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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百四十六回》ふるさとの文化財

    木像薬師如来立像もくぞうやくしにょらいりつぞう
    【市指定有形文化財】
    掲載日 平成25年5月15日

    この像は、塩船観音寺本堂下の広場西側に建つ薬師堂の御本尊で、市指定有形文化財です。塩船観音寺には、平安時代の仏像1、鎌倉時代の仏像28躯、室町時代の仏像6躯など江戸時代以前の仏像が多数あります。その中でこの像は一番古く、平安時代後期・十一世紀後半ころの制作とされています。彩色されない素地きじしあげのカヤ材一木造りで、高さ170cmのひょろ長い姿態と素朴で穏やかな表情をした和様様式の作風から、地方仏師の手によるとされます。左手に薬壺を持ち、右手を掲げて人々の恐れを取り除き安心させる施無畏印せむいいんを結んでいます。

    塩船観音寺の寺伝では、大化年間(645~650)若狭国の八百比丘尼やおびくにが千手観音像を安置し、天平年間(729~749)諸国を巡っていた僧行基ぎょうき堂宇どううを再興し、貞観年間(859~877)比叡山の僧安然あんねんが薬師堂・阿弥陀堂・七社権現と十二坊を建てたとされています。少なくとも平安時代後期には、この薬師如来像にふさわしいほこらを備えた寺院であったことは想像されます。観音寺が現在の規模になったのは、本堂の御本尊千手観音像の像内銘文、文永元(1264)年から、鎌倉時代中期と考えられています。

    現在、薬師様は諸病平癒にボケ封じまで聞き届けてくださる仏様として、多くの人々に信仰されています。

    薬師堂へは、東青梅バス停または河辺駅北口から都バス(梅77)で塩船観音入口下車、徒歩10分です。

    市文化財保護指導員
    三好 ゆき江
    木像薬師如来立像

    木像薬師如来立像

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