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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百十四回》ふるさとの文化財

    観音寺かんのんじ阿弥陀堂あみだどう
    【国指定重要文化財】
    掲載日 平成22年9月15日

    観音寺(塩船観音)の入り口にある仁王門(国重文)を抜けると参道の先に、国指定重要文化財の阿弥陀あみだ堂があります。室町時代末期の建造とされ、阿弥陀三尊像さんぞんぞうを安置しています。お堂の周囲には回縁まわりえんがみられず、内部を見上げると天井がないため、屋根裏の構造がむき出しのままなど簡素な造りです。屋根はもと茅葺かやぶきでしたが、昭和36年の解体復元修理で、現在の銅板葺きとなりました。

    小さな木造建築物でも、常に人が利用し、修理を加え続けると、長い寿命を保ちます。木材の耐久性には、その木が生きていたときの生息条件や生命力のようなものも影響します。代表的な建築材であるスギを切り倒すと、幹の中心部に濃褐色の心材と呼ばれる部分があります。周辺の淡色部は辺材といいます。心材は辺材の内側の細胞が、木の生長と共に死滅し、その内容物が酸化作用により、着色されたものです。心材の細胞内部には、樹脂・タンニン・ゴムなどさまざまな物質や色素が蓄積するのですが、これらの物質が材の腐朽に対する抵抗力を増加させるといわれます。心材の形成は、その木の生息条件により、微妙に変化します。木材の耐久性は、生きていた木の遺産のようなものだともいわれます。

    阿弥陀堂の周辺には大スギ(都天然記念物)や太いクスノキなどもあり、一連の木の生命力を感じさせる風景にも思えます。

    観音寺阿弥陀堂へは、塩船観音入口バス停から徒歩10分です。

    市文化財保護指導員
    櫻岡 幸治
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