Ome navi
Aoume
  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百二十八回》ふるさとの文化財

    木造千手観世音菩薩立像もくぞうせんじゅかんのんぼさつりつぞう
    【東京都指定有形文化財】
    掲載日 平成23年11月15日

    観音寺の本堂である観音堂の堂内中央には、入母屋式の厨子があり、その中に都の有形文化財(昭和27年指定)である木造千手観世音菩薩立像が安置されています。鎌倉時代の文永元(1264)年に大檀那おおだんな浄成・栄覚のもとで、仏師快勢・快賢によって造像ぞうぞうされました。像高は144cm、ヒノキ材の寄木造りで、玉眼を嵌入かんにゅうしています。表面は、肉身部は金泥塗り、衣は漆箔をほどこしています。長身、??そうくの形姿で船形光背ふながたこうはいを負います。手の数が42本である一般的な千手観音のスタイルとなっています。像内には、造像の意趣いしゅが記された墨書銘や、木版像、木製舎利塔、毛髪などがありました。岩形の台座の背面には、永正9(1512)年三田弾正忠氏宗が鎌倉仏師下野しもつけ弘円に修理させたことが墨書されています。

    千手観音は、正しくは「千手千眼観自在菩薩」と呼ばれ、千個の眼で人々の様子を観察し、千本の手で自在に救ってくれる仏様です。また、十一面観音でもあり、多くの顔を備えることによって四方八方で助けを求める衆生の音声を観察する能力を具体的に表わしています。

    観音寺の千手観音には、眷属けんぞくである二十八部衆(ふるさとの文化財118参照)も構成、安置されています。千手観音と千手観音を信じる人々を守る役割を担っています。

    観音寺の本尊である千手観音は秘仏となっており、元旦、1月16日、5月3日、8月第2日曜日の年4回、御開扉ごかいひされます。

    観音寺へは、JR河辺駅よりバスにて「塩船観音入口」下車、徒歩数分程度です。

    市文化財保護指導員
    大久保 芳木
     参考資料
    『青梅文化財・史跡・天然記念物』より
    base base base