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  • 更新日 2018年2月17日
  • 青梅市「広報」より
    《第百七十九回》ふるさとの文化財

    観音寺本堂附厨子かんのんじほんどうつけたりずし
    【国指定重要文化財】
    掲載日 平成28年2月15日

    大悲山塩船観音寺は、大化年間(645~650年)に若狭国の八百比丘尼が千手観音を安置し、奈良時代に僧行基が堂舎を再興し、さらに平安時代に比叡山延暦寺の僧安然が七社権現を勧請したという、寺伝を持つ古刹こさつです。国指定3点、都指定4点、市指定8点、計15点の文化財があります。

    そのうち本堂は、室町時代末期の建立とされる密教堂形式の木造建築で、国指定重要文化財です。間口尺(約42尺(約12.72m)、奥行36尺(約10.91m)の大きさで、寄棟造茅葺よせむねづくりかやぶきの屋根、組物くみものを介さず直接桁を支える側柱など、外観は簡素です。内部は内陣と外陣げじんに分かれ、装飾が控えられた密教堂にふさわしい簡潔な空間となっています。

    内陣には、本尊千手観音菩薩像を安置する精巧な造りの厨子ずしがあります。厨子は、間口4尺(約1.21m)、奥行3尺(約0.91m)の大きさで、屋根は入母屋造こけら葺きです。扉には彩色絵が描かれています。表側は色彩は残るものの、かすかに龍に見える図様は薄れています。裏側は、獅子に乗る文殊菩薩像と象に乗る普賢ふげん菩薩像が、色彩も美しく鮮明に残っています。厨子は本堂建造当時のものとされ本堂のつけたりとして国重要文化財に指定されています。本尊の開帳が行われる1月1日~3日・16日、5月1日~ 3日(1日は午後のみ)、8月の第2日曜日には、厨子が開扉されます。

    塩船観音寺本堂へは、塩船観音入口バス停から徒歩約10分です。

    問い合わせ 郷土博物館 ☎23-6859

    市文化財保護指導員
    三好ゆき江
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