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  • 更新日 2014年1月15日
  • 青梅市「広報」より
    《第百五十四回》ふるさとの文化財

    木造毘沙門天立像もくぞうびしゃもんりつぞう
    【市指定有形文化財】
    掲載日 平成26年1月15日

    市指定文化財「木造毘沙門天びしゃもんてん立像」は、塩船観音寺の本堂内に、本尊の千手観音(都指定有形文化財)の脇侍わきじとして、不動明王像とともに安置されています。全高は134cm、右手にげきを持ち、左手は胸の高さに宝塔ほうとう捧持ぼうじしています。甲冑姿で、腰を左にひねり、右足を上げ、邪鬼を踏まえて立つ姿です。全体のバランスが整い、細部までよく作り込まれた優品で、製作は鎌倉時代(13世紀)とされています。像内に永正9(1512)年の修理銘が残されています。

    毘沙門天は多聞天とも呼ばれ、いわゆる四天王・十二天の一尊で、仏像としては天部と呼ばれるグループに含まれます。ちなみに、仏像は、如来、菩薩、明王、天部などにグループ分けされます。もともと、天部の諸尊の多くは、自然現象を背景に誕生した古代インドの神々とされます。天という名称は、これらの神々が天上界にいたことに由来します。後に仏教に取り入れられ、仏教を守護する護法神としての役割を担うようになります。天部の諸尊に、武器を持つ姿が多いのはそのためです。仏教が広まるにつれ、これらの天も個別に信仰されるようになります。

    毘沙門天は須弥山しゅみせんの北方を守護し、仏法を護るとされますが、福や財をもたらす仏神としても広く民間に信仰され、七福神の一人にもされています。戦国時代、越後の上杉謙信が毘沙門天を深く信仰し、旗印に「毘」の文字を用いたことはよく知られます。

    観音寺は東青梅バス停または河辺駅北口から都バス(梅77)で塩船観音入口下車、徒歩8分です。

    本堂へは拝観料が必要です。

    問い合わせ 郷土博物館電話23-6859

    市文化財保護指導員
    櫻岡 幸治
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