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掲載日 平成19年2月15日 |
東青梅駅から四小の横を通り「根ヶ布」の信号を右斜め方向・天寧寺坂通りを5分ほど歩いて行くと、右手にうっそうとした木々に囲まれた天寧寺があります。天寧寺は「高峯山」と号し、曹洞宗の名刹で本尊は釈迦如来です。元々この地には平将門創建の真言宗高峯寺があったと伝えられ、それにちなむ山号になっていると言われています。文亀年間(1501~1504)勝沼城主であった三田政定が甲州(山梨県)・中山の広厳院第二世・一華文英を開山として創建し、天下安寧を祈願して「天寧寺」と命名されました。江戸時代には末寺37を統め、慶安2年(1649)には徳川氏より本寺格20石の朱印状が与えられています。天正18年(1590)と元禄16年(1703)と2度の火災にあいますが、宝永4年(1707)に本堂が再建され、その後嘉永6年(1853)までの間に、現在の七堂伽藍が整備されました。
総門をくぐり左側に大きな檜の木立が続く参道を清々しい気持ちになって歩いて行くと、威厳のある入母屋造りの三間一戸楼門の山門に出ます。楼上には十六羅漢像とかつて御岳山・世尊寺の本尊だった釈迦如来座像(市有形文化財)が安置されています。山門を入ると左手には、三田政定が寄進した銅鐘(国の重要美術品)があり、さらに嘉永6年(1853)に建立された唐破風造りの中雀門・正面に法堂(本堂)・左手に僧堂(禅堂)・右手の庫裡を回廊が四角に結んでいます。この堂塔配置は仏殿省略型永平寺式といい、曹洞宗の典型とされ昭和35年(1960)に都の史跡に指定されました。
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市文化財保護指導員 儘田 小夜子 |
参考資料『青梅文化財・史跡・天然記念物』より |
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