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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第六十六回》ふるさとの文化財

    今井氏いまいしはか
    【青梅市指定史跡】
    掲載日 平成18年9月15日

    「今井」地区は市域の東部に位置し、七日市場を南北に走る岩蔵街道より東側一帯です。 中世のころ、今井氏と称する豪族が支配していたので、付近一帯の地名が今井と称されるようになったとも、あるいは某豪族がこの地区に進出し、古くからあった今井の地名を用い、今井氏と名乗るようになったともいわれており、いずれにしても今井氏の居城と伝えられる城跡が、雑木林の中に残っています。

    今井氏の墓と伝えられる墓所は、七日市場の正福寺にあります。

    本堂の裏にある墓所は、幅2.9m前後、奥行き5.4m前後の広さで、正面に比較的大きな宝篋印塔ほうきょういんとうが祀られ、両側にはふぞろいな五輪塔が並べられています。これらの石質は、いずれも凝灰質砂岩ぎょうかいしつさがんであることから、あきる野市伊奈付近で産出された石材で、江戸時代以前に造立されたものと推定されます。 ふぞろいな宝篋印塔や五輪塔を、大きさを手掛かりとし、型式に従って並び替えてみると、23基となります。

    正福寺は今井山と号する時宗の寺院で、鎌倉時代中期の正応年間(1288~1293)に創建され、今井氏の菩提寺であったと伝えられています。 すでに無くなってしまいましたが、江戸時代の後期には、「応永二年今井四郎為菩提」と足裏に書かれた本尊が祀られていたといわれています。 応永二年は西暦1395年ですから、、このことが正しいとすると、室町時代の初期のころ、今井四郎と称する豪族が今井城を居城とし、付近一帯を支配していたことになります。

    正福寺はバス停「七日市場」から、徒歩で1~2分です。

    市文化財保護指導員
    角田 清美
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