Ome navi
Aoume
  • 更新日 2013年8月18日
  • 青梅市「広報」より
    《第二回》ふるさとの文化財

    海禅寺 かいぜんじのクスノキ
    【青梅市指定天然記念物】
    掲載日 平成13年5月15日

    まひるまの嵐 吹きみだる

    樟わか葉 明るき影を

    ふりしきらせり

    ・・・古泉千樫・・・


    青葉が美しい季節です。 風にゆさぶられる雑木たちの葉にはまばゆいばかりの美しさがありますが、これらの木々の葉が深緑になる、この時季に今度は常緑樹たちの新旧の葉が入れ替わります。 クスノキ、カシ、シイなどが新しい葉を広げますが、「楠若葉」という言葉もあるように、クスノキの新葉がいちばん美しいようです。 海禅寺のクスノキ(市指定天然記念物)も多摩川をへだてた柚木ゆぎ方面から遠望しても、それがわかるほどに巨木全体が輝いて見えます。

    クスノキは暖地系だんちけいの高木で、西日本には各地に巨木、名木がたくさんありますが、西関東の内陸地にこれだけの大きなものがあるのは珍しいため、昭和56年に天然記念物に指定されました。 境内に指定樹が3本あって、山門の西側、三田氏の墓の下にある2本のうち、向かって左側の木は幹周り2.9m、樹高は測定不可、右側の木が幹周1.7m、樹高約18mです。 他の1本は庭にあって幹周が3.4m、樹高が約27mです。 暖地系の木々は冬の厳しい冷え込み以上に寒い季節風にさらされるのを嫌います。 このクスノキは植えたものだと思われますが、日当たりがよいうえに背後の山が季節風を完全に遮っているため、このように大きくなったのでしょう。

    クスノキは材質が堅く、大きな板材がとれることから器具材、彫刻材に使われ、また、樟脳しょうのうを製するのに用いられています。 市内には青梅・上町の平岡家、塩船観音寺、青梅総合高校、永山グラウンドにも大木があります。

    ★ 「天然記念物(植物) ・・・学術上貴重なもの、巨樹、名木、古木、珍希木、栽培植物の原木、植物の群落、分布の限界地などの項目に該当する植物を文化財保護法によって指定しています。市内には国指定の天然記念物が1件、都指定が4件、市指定が13件あります。

    ★瑞龍山海禅寺(曹洞宗)は、青梅線二俣尾駅から東方向へ歩いて約10分のところにあり ます。

    市文化財保護指導員
    中西 勲

    柚木の愛宕神社境内より撮影

    撮影日平成24年4月15日

    base base base