掲載日 平成17年7月15日 |
6月の「吹上花しょうぶまつり」で賑わった吹上しょうぶ公園の、その少し東側に曹洞宗天寧寺の末寺である寶龍山宗泉寺があります。 ここの本堂の前にあるカヤの木は東京都の天然記念物に指定されています。 樹高約25m、幹囲4.6mと非常に大きなもので、1本だけの独立樹のため遠くからでもよく見えます。 枝はてっぺん付近で傘状に開き、下部の枝は著しく垂れ下がっています。 昭和30年9月の台風で、大技が折れて落ちましたが、その枝の年輪は130年ぐらいであったということです。 現在でも樹勢は旺盛で、あきる野市の広徳寺のカヤとともによく知られています。 カヤは「榧」と書き、カヤ属イチイ科に属する常緑樹です。 葉の先が堅く針のようにとがっているので、つかむと痛いです。 材は淡黄色をしており、優美で将棋盤や将棋駒、碁盤に使われ、最高級品として珍重されています。 また、腐りにくいという特長もあり、手桶や風呂桶などにも使われました。 種子の胚乳には脂肪が多く含まれており、油を絞り食用や灯火用に使われました。 特に食用ではオリーブ油の代用とされました。 また、回虫や十二指腸虫の駆除薬としても効果があると言われています。 南は屋久島から北は宮城県まで広く分布しているカヤですが、これだけの大木は珍しいものです。 吹上しょうぶ公園へ訪れた折には、宗泉寺のカヤの木も見学して、大木のもつ生命力にも触れてみてください。 宗泉寺のカヤへは、河辺駅北口から都バスにて「宗泉寺」下車徒歩1分です。 | |
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市文化財保護指導員 神森 正 | ||
参考資料 『青梅文化財・史跡・天然記念物』より |
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