掲載日 平成18年6月15日 |
市の天然記念物に指定されている巨木ですが、ハイキングコースを外れていて、道も定かでないことから、訪れる人もまれです。 高水三山の一つである惣岳山から平溝へ向かう尾根筋、標高約600m地点の二俣尾五丁目にあります。 2万5千分の1地図で、614mの標示がある馬の背状の部分の西端になります。 周辺はヒノキの人工林で、ヒノキの成長に伴い、大ツガが埋もれてしまうような環境にありましたが、近年、西側斜面が伐採されたため、斜面の上部から、ヒノキ林の一角に大ツガのこんもりした樹冠を確認できるようになりました。 稜線脇に三本のツガが生えていて、ひときわ大きい木が市天然記念物指定の大ツガです。 地上約2mの位置から北側に大枝が分かれ、その少し上でさらに二本に分かれています。 急な斜面にあるため幹囲りの測定は困難ですが、指定当時の記録には目通り4m62㎝とあります。 樹高は約20mくらいかと思われます。 ツガは関東地方以西の山地に自生する針葉常緑高木です。 市内では御岳山や高水山の山頂付近で大木が見られますが、このような低山帯にこれだけの巨木があるのは珍しいことから、昭和56年に市の天然記念物に指定されています。 現地へは平溝川上流の大沢から、登山口が分かりづらいですが、急な斜面を踏み跡をたどって登ることができます。 惣岳山方面からは、平溝へ向かう尾根の入口がはっきりしません。 軍畑からは谷久保沢を詰めると大ツガのすぐ近くの鞍部に出られますが、現在は上流部で道が消えています。 いずれにせよ、標識や道に頼らず、地図で地形を読みとりながら歩ける人向きです。 | |
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市文化財保護指導員 久保田 繁男 | ||