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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第四十三回》ふるさとの文化財

    横吹よこぶきおおイヌグス
    【青梅市指定天然記念物】
    掲載日 平成16年10月15日

    横吹の大イヌグスは、クスノキ科の樹木で、正式和名をタブノキといいます。イヌグス(犬樟)の名は、材質がクスに似るが、クスよりも劣ることに由来しています。

    照葉樹林しょうようじゅりんの代表的な樹木の一つで、暖地の海岸地方には巨木も多いですが、関東地方の内陸山間地にこのような大木が存在するのは珍しいため、昭和56年に市の天然記念物に指定されています。

    青梅市近辺では奥多摩町古里附のイヌグス(都指定)、埼玉県飯能市間野浅間神社の裏山のイヌグス(県指定)が知られています。

    イヌグスは家具や彫刻材として使われるほか、葉と樹皮には粘質物があり、粉末にして得られた椨子たぶは、水を加えると粘ることから線香を固める粘結材となります。葉は蚊取り線香に、樹皮は仏事用の線香に用いるようです。樹皮はタンニンを含み、八丈島では黄八丈の樺染かばぞめに用いられています。

    民家が近く、枝が繁り過ぎ強風で倒れるおそれがあったために、平成5年に道端の枝が落とされましたが樹勢は盛んです。平成7年の調査では、幹周り3.6m、樹高7mとされています。

    近くには幹周り1.8m元気な木もあり、南に面した山すそのこの地がイヌグスが育つのに良好な環境であることがうかがえます。

    横吹の大イヌグスへは、青梅線日向和田駅で下車し、青梅街道を御岳方面へ約300m進み、右折して踏み切りを渡り道順に30mほど行った道際にあります。

    市文化財保護指導員
    久保田 繁男
    イヌグス
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