掲載日 平成18年8月15日 |
畑中の地蔵院(宝珠院)に、宝珠梅と呼ばれるウメの古木があります。 青梅の吉野梅郷は全国的にも著名な梅林で、宝珠梅はそれらのウメの木の中でも、最も古い株の1つとされています。 地蔵院の山号、宝珠山が名前の由来です。 昔から、観梅のポイントは、花・香り・樹姿の三つといわれます。 多数の花の美しさが見どころの梅林でも、個々の木の姿の風情やそれの醸し出す雰囲気も重要な採点基準になります。 この点、サクラの美しさとは視点が少々異なるのかもしれません。 樹木の中には、一目でそれと分かる樹形(枝振り)を持つものがあります。 竹ぼうきを逆さに立てたようなケヤキなどその典型で、武蔵野の集落や畑が、青空の下に広がる風景をイメージさせる要素の一つでもあります。 奥多摩の山のブナやミズナラは、条件の良い場所では堅固な幹が太い枝を支える重厚な樹形を作ります。 しかし、風当たりの強い尾根筋では樹高が低く、下枝も地面を ウメの古木の姿からは、しぶとい生命力が感じられます。 それはお寺に、若々しい雰囲気を醸し出すことになるのかもしれません。 地蔵院へは、都営バス・畑中下西バス停から徒歩5分です。 | |
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市文化財保護指導員 櫻岡 幸治 | ||
参考資料 『青梅文化財・史跡・天然記念物』より |
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