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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第四十九回》ふるさとの文化財

    大背戸おおせどのカシ
    【青梅市指定天然記念物】
    掲載日 平成17年4月15日

    このカシの木は、畑中2丁目、地蔵院の北東約100m、土方重孝家の屋敷内にあります。市内最大のシラカシであることから、昭和32年に市の天然記念物に指定され、現在、幹周り約4.3m、高さ約23mです。屋敷の北方は、多摩川右岸の断崖に続く地形になっているため、冬季の多摩川を渡ってくる北西の季節風から、家屋を守るために植えられた屋敷林のなかの1本だと思われます。また夏季には強い西日も遮っています。年々生長を続けた木は、枝を広げ、葉を繁らせ、秋にはどんぐりをいっぱい実らせ、いつのころからか地域の人々から「大背戸のカシ」と呼ばれるようになりました。大背戸とは、土方家の屋号です。

    シラカシは山野に生える常緑広葉樹ですが、昔から農家の暮らしに有用な屋敷林として植えられてきました。 常緑で燃えにくいので防風や防火のため、枝の上下を整枝せいしし四角形に刈りこんだ防風林カシグネに仕立てられ、材は硬いので農具の柄に使われ、落ち葉はたい肥にされてきました。一般に、先祖から代々受け継ぎ守られてきた屋敷林も、今では、生活様式の変化で必要度が少なくなってきたことと、市街化が進んだため、落ち葉の処理や強風による折れ枝や倒壊の心配などで切られることが多く、その維持管理が難しくなってきています。

    大背戸のカシへは、都営バス(吉野行)畑中公会堂下車、徒歩10分です。

    市文化財保護指導員
    三好 ゆき江
     参考資料
    『青梅文化財・史跡・天然記念物』より
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