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  • 更新日 2016年9月20日
  • 青梅市「広報」より
    《第百八十六回》ふるさとの文化財

    ちょく がん しょ りん ぜん ごう せん ちょく しょ
    【青梅市指定有形文化財】
    掲載日 平成28年9月15日

    この2通の古文書は市内二俣尾4丁目にある曹洞宗海禅寺所蔵です。海禅寺は瑞竜山ずいりゅうさんと号し、群馬県渋川市白井にある雙林寺そうりんじの末寺にあたり、本尊は釈迦如来です。はじめ長勝山福禅寺ちょうしょうさんふくぜんじと号し、創建は寛正かんしょう年間(1460~1466)とされ、天文てんぶん年間(1532~1555)より三田氏の菩提寺となります。しかし、三田氏滅亡時の辛垣城からかいじょう落城と同時に兵火にかかりかいじんとなってしまいます。その後天正てんしょう18(1590)年、第7世天江東岳てんこうとうがくにより諸堂が再建されました。天正19(1591)年には徳川氏より寺領十五石の朱印状を付与され、この時から瑞竜山海禅寺と改めました。

    勅願所綸旨は縦約33.3㎝、横約46.5㎝の大きさで、天正3(1575)年6月23日、福禅寺を第106代正親町おおぎまち天皇の命により、国家鎮護・玉体安穏を祈願する寺院である勅願所に定めるという趣旨が書かれた勅書です。綸旨とは天皇のみことのりのことです。

    禅師号宣下勅書は縦約36.2㎝、横約50.2㎝の大きさで、天正13(1585)年12月27日、正親町天皇が第7世天江東岳に対し、関州徳光という禅師号を下賜するという内容の勅書です。日付の廿七は正親町天皇の宸筆しんぴつといわれています。

    これらの古文書は、昭和59年の海禅寺本堂焼失時には、市内沢井2丁目の大平山運慶院うんけいいんに保管されており、難を逃れました。

    中世における海禅寺の隆盛を物語る貴重な古文書であるということから、それぞれ昭和39年に市の有形文化財に指定されました。

    海禅寺はJR青梅線二俣尾駅より徒歩5分です。 (文書は非公開)

    問い合わせ 郷土博物館

    ☎23・6859

    市文化財保護指導員
    小島みどり
     参考資料
    禅師号宣下勅書『広報おうめ平成28年9月15日号』より
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