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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第五十四回》ふるさとの文化財

    玉泉寺ぎょくせんじ
    【青梅市指定旧跡】
    掲載日 平成17年9月15日

    玉泉寺は、山号を金剛山と称し、文保年間(1317~1319年)に、鎌倉建長寺十七世・大古世源を開山として創建された臨済宗の寺院で、市の旧跡に指定されています。

    江戸時代には境内1千900坪に釈迦堂、鐘楼、山門を配置し、末寺17寺を有していました。 本堂および講堂は大正2年に火災に遭い、その後再建されたものですが、山門をはじめ石垣、礎石、湧水池などは旧態をとどめています。

    玉泉寺には鎌倉・室町時代の青石塔婆が多数現存し、このうち山門の右手の墓地にある青石塔婆は、市の有形文化財に指定されています。 正応元年(1288年)の造立で、現在確認されている紀年銘が刻まれた青石塔婆としては市内で最も古いものです。 阿弥陀三尊種子しゅじが刻まれ、形状や文字の配分などは、同年代のものとしては古様で、多摩川流域には類例がないものです。 脇にある無銘の青石塔婆と並べて奉祀するために造立されたと思われます。

    さらに、玉泉寺には、北条氏照が天正16年(1588年)、豊臣秀吉の侵攻に備えて、鐘を軍事徴発したときの「鐘借用状」、建暦2年(1212年)の奥書のある市内最古の写経である「大般若経」400巻、市内にある木彫倚像の中でも優秀作であり、しかも制作年代が元和3年(1617年)とはっきりしている「大応国師倚像」といった市指定有形文化財もあひます。

    玉泉寺は、多摩バス長淵駐在バス停下車徒歩3分の長淵3丁目地内にあります。 また、青梅七福神(弁財天)の寺としても広く知られています。

    市文化財保護指導員
    久保田 繁男
     参考資料
    『青梅文化財・史跡・天然記念物』より
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