Rock & Wild Rare Pic.

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メル・コリンズ  Mel Collins
メル・コリンズはサックス・プレーヤーで、彼の参加したバンド、セッションを並べていたら、解説が多分何ページにも渡ってしまうでしょう。それくらい数多くの経歴を持つ彼ですが、この写真はすでに本サイトで公開したブライアン・フェリー&フレンズ特集のアウトテイクです。

1977年6月のフェリー・ツアーのすごいメンバーに関しては、本サイトをご覧いただきたいのですが、メルはそのツアーメンバーの中でも1番明るく(悪く言えば能天気!?)、女の子にも1番モテてました。

彼はキング・クリムゾンの初期のころから参加していて、当時からなかなかの美形であることは、目の訊く女の子たちの間では密かに有名でした。ただクリムゾンがだんだん難解になって(女の子に受けるようなタイプではなくなって)いったころの中心的人物で(やはり美形のジョン・ウェットンが同時期にいた)、マニア受けするミュージシャンという扱いをされてました。

そんなころ、1974年に初めてロンドンを訪れた私と友人は、日本で知り合ったあるバンドのクルーのオニイさんに連れられて、彼の住まいの近くのライヴハウスへ友人と共に行きました。
そこで、ほとんど真夜中に近い時刻から演奏を始めたファンキーなバンドが「KOKOMO ココモ」でした。彼らはえらくカッコいい演奏を聴かせてくれ、ファンキー・ミュージックなんて・・・と毛嫌いしていた私たちはちょっと目からウロコ状態でした。

このバンドには、他にもすごい経歴のミュージシャンがいたことが後で判明したのですが、まずサックス・プレーヤーが、クリムゾンのメル・コリンズさんに似ている、と即座に思い、友人と囁き合ったのです。連れて行ってくれたオニイさんに聞けば一発で判明したはずなのですが、まさか「あのメル・コリンズ」が「こんなファンキーなバンド」にいるなんて、ハナからあり得ないと思い込んでいたのですから聞けるはずもない。
演奏はそれなりに楽しかったのですが、「メル・コリンズに似ているサックス・プレーヤー」をまた見たい、そんなちょっと不埒な動機もあって、ロンドン滞在中にココモを再び見に行ったこともありました。それでもわからなかったのです。

その彼が本当に本物のメル・コリンズであるとわかったのは、翌年75年にバッド・カンパニーが来日して、その際にポール・ロジャースが語ったインタビューを読んだときでした。
「現在ココモにいるメル・コリンズにアルバムでは参加してもらったんだ」・・・・・あ〜らら、やっぱりあれはメルだったのかぁ、一言まわりに聞けばよかったのにぃぃぃぃ〜、と後悔先に立たず。

そんな経緯があったので、77年にブライアン・フェリーと来ると聞いて、これは何としても直接会って(本人には何の罪はないけど)、私の後悔ストーリーをきいてもらうっきゃない! 来日したばかりの彼を羽田で出迎え、会うなりココモの話をした私には、きっとメルも面食らったことでしょう。
でもとても喜んでくれ、それをきっかけに仲良くしてもらったのです。ところが、一緒にいた友人は真面目にクリムゾンのことを聞きたがっているのに、私自身がクリムゾン時代をよく知らないゆえ、シリアスな内輪話を聞いたことより、なんだか笑いあっていたことばかり思い出されます。その後は「キャメル」のメンバーとして来日し、96年にはアイリッシュ・バンドの「クラナド」の一員として久々に日本にやって来てました。


夏川 翠 2002.5


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