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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百三十六回》ふるさとの文化財

    木造軍荼利明王立像ぐんだりみょうおうりゅうぞう
    【東京都指定有形文化財】
    掲載日 平成24年7月15日

    成木一丁目自治会館から北に約100m進むと、仁王門があり、その先に窓のないお堂があります。

    堂内には軍荼利明王立像ぐんだりみょうおうりゅうぞうが安置されています。高さ約297cm、寄木造りで漆塗りの立像は、目を大きく見開き、口を閉じ、怒りの表情を表わしています。口元には、左右に、上下逆の牙があります。憤怒の容貌に対し火焔形光背かえんがたこうはいの前に八臂はっぴ、裸足で立つ姿は痩身丈長そうしんたけながであり体躯たいくの肉付きや衣文えもんの彫りは穏やかです。

    作者は不詳、製作年代は鎌倉時代前期以前と推定されます。光背と台座は銘により江戸時代に作られたということがわかっています。

    木造軍荼利明王立像は昭和51年、都有形文化財に指定されています。

    軍荼利明王は、悪鬼あっきなどの外敵、特に善事を邪魔する者から人々を守り、さまざまな障害を取り除いてくれる密教の仏様です。

    軍荼利は梵語ぼんごの「グンダリー」の音訳と云われ、「とぐろを巻いている」という意味です。軍荼利明王像には、手や足に蛇を巻きつけている像も多く見られます。

    その昔東遊中とうゆうちゅう行基ぎょうきがこの地のクスノキの下で光の中に軍荼利の形を見、その木で軍荼利明王像を彫って安置し、その後、平 将門・畠山重忠・足利尊氏などの信仰を得たと云う伝説もあります。

    明王堂の周辺は江戸時代に「軍荼利村」と呼ばれていた時期があり、村名を記した古文書が残っています。

    「成木のぐんだりさま」と言われ、昔から近隣の人々に信仰されていますが、普段は扉が閉められ、一般公開はされていません。年に一度、8月14日に開扉かいこされ、当日は午前9時ころから軍荼利明王立像を拝観することができます。

    軍荼利明王堂へは、河辺駅または東青梅駅より都バス成木循環に乗車、「成木一丁目自治会館前」下車、徒歩数分です。

    市文化財保護指導員
    小島 みどり

    木造軍荼利明王立像

    軍荼利明王堂

    入口

    軍荼利明王堂前の山門

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