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  • 更新日 2016年1月27日
  • 青梅市「広報」より
    《第百四十四回》ふるさとの文化財

    両界曼荼羅りょうかいまんだら
    【市指定有形文化財】
    掲載日 平成25年3月15日

    市指定有形文化財の「両界曼荼羅りょうかいまんだら」は、成木の安楽寺(真言宗)にあります(非公開)。

    曼荼羅は諸仏やインド古来の神々等を特定の形式で配置した図絵で、壁掛け式が多く、主に密教系の仏教宗派(真言宗、天台宗)で、修行や修法等の際に用いられます。

    音楽や絵画等の優れた芸術作品に接すると、理屈抜きに昂揚感やさまざまなインスピレーションが、心の中に湧き上がる場合があります。仏教芸術の結晶ともされる曼荼羅も、そうした効果を意図しています。真言宗の開祖空海(弘法大師)は、密教の教えは深遠で、文字では説明できない。そのため、図像を用いて説き示すのだと、曼荼羅を悟りへの重要なアイテムとして位置づけています。真言宗の本尊、大日如来の功徳はさまざまに姿を変え、この世の森羅万象一切を満たしている。これは、自分自身も大日如来と一体化していることだ、そんな密教世界のイメージを見る者の心に湧出させるのが曼荼羅です。

    密教の重要経典である大日経を基に、胎蔵界曼荼羅が作られ、大日如来の慈悲の拡がりを示しています。また、金剛頂経系こんごうちょうきょうけいの経典から金剛界曼荼羅が作られ、やはり大日如来の智慧の世界を表現しています。各々のデザインや色彩にも意味があります。この二種の曼荼羅を対にして、両界曼荼羅と呼びます。

    安楽寺所蔵の両界曼荼羅は、市内に現存するものの中では優品で、慶長11(1606)年、江戸時代初期に作製されたものです。

    市文化財保護指導員
    櫻岡 幸治
    金剛界曼荼羅

    金剛界曼荼羅

    胎蔵界曼荼羅

    胎蔵界曼荼羅

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