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  • 更新日 201637月30日
  • 青梅市「広報」より
    《第六十九回》ふるさとの文化財

    絹本着色田辺清右衛門惟良画像けんぽんちゃくしょくたなべきよえもんこれよしがぞう
    【東京都指定有形文化財】
    掲載日 平成18年12月15日

    この画像は、田辺晴右衛門惟良これよしという白髪の老武士が、羽織はかま姿で坐っている図を描いたものです。

    高麗縁こうらいべりの畳の上にわずかに左ひざを立て、扇紋付小袖に羽織、菊花模様の袴を着け小刀を差し、左側に太刀を置いています。 立てた扇に右手を載せ、体をやや右に傾けて、口は開いています。 今にもその声が聞こえてきそうなほど、生き生きとした姿です。 上部には、中央に「大樹院殿前紀氏公竜室道泉居士」と清右衛門の法名を、左右にその徳をたたえた賛を記しています。 画面は、縦76㎝、横34.8㎝の大きさです。

    清右衛門は、もと武田家の旧臣でしたが、天正10年(1582)主家没落の後、北条氏照に仕え、市内日向和田の楯(鰭)の沢に館を構えて住んだ地侍です。 北条滅亡後は、子・平四郎や孫の宇太夫ともに徳川家に仕えています。 楯の沢にあった清右衛門邸の遺構(門)は、孫の代に移築され、日向和田にある明白院の山門になっていると伝えられています。 墓は、市内天ヶ瀬・金剛寺にあり、墓誌には明暦4年(1658)、72歳で没したとあります。

    この画像は、没後まもないころの製作と推察され、江戸時代初期の武士の風俗を示す資料として、また青梅地区に密接な関係のある人物の画像として、大変貴重です。 そのため昭和40年に都有形文化財に指定されました。 金剛寺に蔵されていますが、非公開です。

    市文化財保護指導員
    三好 ゆき江
     参考資料
    『青梅文化財・史跡・天然記念物』より
    田辺清右衛門惟良画像
    参考資料
    『特別展・青梅の名宝』より
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