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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百三十回》ふるさとの文化財

    絹本着色如意輪観世音像けんぽんちゃくしょくにょいりんかんぜおんぞう
    【国指定重要文化財】
    掲載日 平成24年1月15日

    絹本着色如意輪観世音像けんぽんちゃくしょくにょいりんかんぜおんぞうは、天ヶ瀬町の金剛寺に伝わる鎌倉時代の仏画の名品で、昭和32年に国の重要文化財に指定されました。

    二個の半筒が合わさった形の軸木内面には墨書があり、乾元元(1302)年当時、金沢文庫で有名な金沢(現在の横浜市)にあった名刹称名寺しょうみょうじの僧祐範ゆうはん守本尊まもりほんぞんであったことが分かります。その後、経緯は不明ですが、祐範より金剛寺に寄進されたと伝えられています。

    画は、画面と表装とを同じ絹に描いた「描表装造かきびょうそうづくり」になっています。大きさは縦150cm、横54.5cmで、その中の画面は縦133cm、横48.5cmです。画面中央に、金箔金泥が施された如意輪観音坐像が、六本の手を持ち宝冠を頂いた姿で描かれています。背景は、下部に山と樹木と合掌する童子が、上部に山容さんようと樹林が彩色されて配され、さらにその上方に金箔金泥の彩雲が描かれています。画面中央の観音像は金箔金泥も美しく、昔日せきじつの姿を保っていますが、背景部分は、大永2(1522)年から昭和までの数度の修繕にもかかわらず、剥落はくらくしたためか、くすんで見えます。

    画面周囲の描表装には、金銀諸種の彩色で、散華さんげ・小鳥・宝輪が細密に描かれています。また軸金具も、蓮華・唐草の精巧な金透彫きんすかしぼりが施された鎌倉期の優品です。

    画の全体および各部分の詳細な写真は、郷土博物館の刊行図書「特別展青梅の名宝」で見ることができます。

    金剛寺へは、都バス青梅支所から徒歩5分ですが、画は劣化を防ぐためもあり非公開です。

    市文化財保護指導員
    三好 ゆき江
      全体の様子
    参考資料
    『特別展・青梅の名宝』より
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