<目次>表紙
(第1章)カガミガイとの出会い
1.研究を始めたきっかけ
  2.化石の標本作り   3.発掘をした浜名湖について   4.カガミガイについて調べた事 
5.カガミガイの採集  
(第2章)カガミガイの生態とカガミガイの貝殻の研究
1.今年の研究テーマ
  
2.研究内容 (1)カガミガイの生態 @カガミガイの飼育観察   
A砂にもぐる速さ調べ
   Bカガミガイとアサリの浄化作用   C温度と動きの関係
(2)カガミガイの貝殻を使った研究@顕微鏡などでの貝殻の観察  
A貝殻の重さに対する強さ調べ  B微生物の入った土に対する貝殻の強さ調べ    
C身の回りの液体に対する貝殻の強さ調べ
D化石の貝についていた砂泥からの水質調べ      
(第3章)研究の結果と今後の課題
1.研究の結果
     2.今後の課題と感想  3.最後に(貝のタイムカプセル) 4.参考文献    5.お世話になった方々 

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(第1章)カガミガイとの出会い

1 研究を始めたきっかけ

「あっ、何か白いものがあるよ!」。砂と泥のかたまりをちょっとずつ削っていったら、白いものが見えてきた。「何だろう?やけに大きい」。まわりを削ってみたら、丸くて白い大きな貝殻が出てきた。「こんなのが出てきました!」と専門家に見せたら、カガミガイの化石だと教えてくれた。これがぼくとカガミガイとの初めての出会いだ。
←白い丸いのがカガミガイ

ぼくは、昨年(平成14年)の12月に行われた浜松市佐浜のナウマン象発掘調査にぼくは参加した。
 12/22のナウマン象発掘調査の記事はこちら

 ぼくが行った22日は発掘の初日だったので、そこで大正時代にナウマンゾウの骨や牙(1本)が見つかったという説明を聞いた後、浜名湖東岸にある佐浜のがけの所へ行った。切りとられたがけは、黄色や灰色、茶色や白色の地層が帯のように横線を作って重なっていた。


 その日は雨で寒かったし足場も悪かったので、大学生や高校生の方たちががけからくずして持ってきてく
れた土砂のかたまりを、ビニールシートの上できりやドライバーでけずって化石をとりだした。
(発掘の様子)

 ぼくはそれまで化石と言えばアンモナイトのような茶色い石みたいなものだと思っていた。


ところが出てきた化石の中に、直径が7〜8センチもあるカガミガイ(二枚貝)がいっぱいあった。しかも、まるで一週間ぐらい前に近所の魚屋さんがまとめて捨てたみたいにきれいでこわれていなかった。貝殻が二枚合わさったままのものもあったのですごくおどろいた。研究者の方に聞いたら、カガミガイが出てきた地層は約20〜25万年前の第四紀という時代にたい積した『浜松層』という地層の中の『佐浜泥部層』だと言われたのでさらにおどろいた。
 こんなに長い間かわらないでしっかりしたままだったカガミガイを見て、「今もこれと同じ貝があるのか。」「どんな貝なのか。」「そしてその貝殻はこれから化石になって未来に残っていけるのか。」ぼくはカガミガイにとても興味を持った。

発掘後のがけ・切り込まれた白い所から貝化石を発掘

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