<目次>表紙
(第1章)カガミガイとの出会い
1.研究を始めたきっかけ
  2.化石の標本作り   3.発掘をした浜名湖について   4.カガミガイについて調べた事 
5.カガミガイの採集  
(第2章)カガミガイの生態とカガミガイの貝殻の研究
1.今年の研究テーマ
  
2.研究内容 (1)カガミガイの生態 @カガミガイの飼育観察   
A砂にもぐる速さ調べ
   Bカガミガイとアサリの浄化作用   C温度と動きの関係
(2)カガミガイの貝殻を使った研究@顕微鏡などでの貝殻の観察  
A貝殻の重さに対する強さ調べ  B微生物の入った土に対する貝殻の強さ調べ    
C身の回りの液体に対する貝殻の強さ調べ
D化石の貝についていた砂泥からの水質調べ      
(第3章)研究の結果と今後の課題
1.研究の結果
     2.今後の課題と感想  3.最後に(貝のタイムカプセル) 4.参考文献    5.お世話になった方々 
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A砂にもぐる速さ調べ

(実験の目的)
カガミガイが砂の上に出されてからもぐるまでの時間ともぐる速さを調べる。
(材料)
ストップウォッチを用意した。
(方法)
入出水管を出していた同じ大きさの三つのカガミガイを取り出して水そうの前の方にならべ、ストップウォ
ッチを押した。左から(かがみ) 一郎鏡 二郎鏡 三郎と名前を付けて観察した。


(実験の経過)
7分後:
三郎が舌の形の足を出し動き出した。
10分後:
三郎が立ってもぐり始めた。

11分後:
三郎は完全に中に入った。

15分後:
二郎がちょっと動いた。
17分後:
二郎が立って動き始めた。

21分後:
二郎は砂の中に入ってしまった。
 
一郎は全く動かないので観察を続けた。
2時間6分後:
一郎がやっと動き始めた。
2時間13分後:
一郎が立った。

2時間16分後:
一郎が砂の中に入った。

実験経過を下の表にまとめた。


(結果とまとめ)
インターネットで見たアサリやフジノハナガイのページでは、「波が引くとこれらの貝は素早く砂にもぐりこむ」と書いてあったが、ぼくが実験したカガミガイでは、貝のもぐりこむ速さやタイミングには個体差がかなりあった。ツメタガイに貝の外から酸性の液をかけられ穴を開けられて食べられてしまう殻の薄いアサリとちがって、カガミガイは自分の殻がとても堅いことを知っているのだろうか。速くもぐる方が外敵にねらわれにくいから生き延びる可能性が高いのに、2時間以上も砂の上に横になったまま動かないものがいたことや、こんなに個体差があるのがとてもふしぎだった。