<目次>表紙
(第1章)カガミガイとの出会い
1.研究を始めたきっかけ
  2.化石の標本作り   3.発掘をした浜名湖について   4.カガミガイについて調べた事 
5.カガミガイの採集  
(第2章)カガミガイの生態とカガミガイの貝殻の研究
1.今年の研究テーマ
  
2.研究内容 (1)カガミガイの生態 @カガミガイの飼育観察   
A砂にもぐる速さ調べ
   Bカガミガイとアサリの浄化作用   C温度と動きの関係
(2)カガミガイの貝殻を使った研究@顕微鏡などでの貝殻の観察  
A貝殻の重さに対する強さ調べ  B微生物の入った土に対する貝殻の強さ調べ    
C身の回りの液体に対する貝殻の強さ調べ
D化石の貝についていた砂泥からの水質調べ      
(第3章)研究の結果と今後の課題
1.研究の結果
     2.今後の課題と感想  3.最後に(貝のタイムカプセル) 4.参考文献    5.お世話になった方々 
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4 カガミガイについて調べた事

和名:カガミガイ
分類:二枚貝網、異歯亜網、マルスダレガイ目、マルスダレガイ超科、マルスダレガイ科、マルスダレガイ属。
分布:北海道南部から九州、朝鮮、中国沿岸。
生息場所:潮間帯下〜水深60メートルの細砂底(アサリよりやや深い所にいる)。
呼吸:鰓(えら)呼吸。

 殻(から)の長さは約70ミリ、殻の高さ約65ミリ、殻のはばは約35ミリ、大型のものは殻の長さが約90ミリに達する。円形でふくらみは弱い。固くて殻の表面は灰色っぽい白色。低い規則的な輪の形の肋(成長線)がある。肋に対してたてに入る帯(放射帯)等はない。
 食用とするがあまりおいしくない。また、もち貝、白貝、文殊貝とも呼ばれる。
殻が厚くじょうぶなので、カガミガイのふちを欠いて刃物として利用した貝殻が縄文時代の貝塚から多数見つかっている。
 また昔はこのカガミガイの殻の表面のギザギザで和紙のけばをすり落としていたので「けばすり貝」と呼ぶ地域もある。
インターネットで調べたら、1s400円でタコのえさ用としてネット販売している店があった。

(日本のカガミガイの仲間)
ヤタノカガミ、フカカガミ、タマカガイ、ウラカガミ、オイノカガミ、ワカカガミ、ヒナカガミなど。

(世界のカガミガイの仲間)
バハマカガミガイ、フロリダカガミガイ、カリブカガミガイ、タイセイヨウカガミガイ、マゴコロカガミガイ、インドカガミガイ、ハデカガミガイ、オウナカガミガイ、ビクトリアカガミガイ、マオリカガミガイ、バライロカガミガイ、ウバノカガミガイ、アンナカガミガイ、ダイオウカガミガイ(殻長15p)
メキシコカガミガイ、ニオリカガミガイなど。

(二枚貝について)
貝類は軟体部を守るために石灰質の殻を発達させた動物だ。しかし重い貝殻を背負って動き回るとエネルギーをたくさん使ってしまうのであまり動き回らない生活へと進化した。その中で基本的に砂泥の底にもぐって生活をするようになったのが二枚貝類だ。砂泥にもぐりやすいように殻が二つに割れ、体を左右から包むようになった。二枚貝は二枚の殻と舌の形の足を使って砂泥の中にもぐっていく。アサリなどは幼生の時は水中を泳ぎ、体の二倍もある足を出して着底する場所を探す。そして砂の中にすむと泳ぐことが出来なくなる。二枚貝の中には外敵から身を守るため、幼生の時にいったん砂泥中にもぐりこんだら一生そこで暮らすものもいる。

(体の構造)
体は左右対称で二枚の貝殻で守られている。去年ぼくが調べた腹足類のナメクジ等とはちがい、目や触覚はなく、頭部はほぼ退化している。貝殻は、体の両側にあって内部を包んでいる外とうまくから出された炭酸石灰などで出来ている。体の後ろには入水管と出水管があり、この管をのばすことで砂泥中にもぐったまま呼吸したりエサをとったりすることが出来る。

(エサの取り方)
エサをとるのは入水管で、海水をとりこんでエラでこした有機物(プランクトンなど)を体の奥にある口に運び、残りは出水管のそばにある肛門に運ばれ、出水管からエサを採り終えた海水を吐く時に肛門からは不要物を排せつする。