<目次>表紙
(第1章)カガミガイとの出会い
1.研究を始めたきっかけ
  2.化石の標本作り   3.発掘をした浜名湖について   4.カガミガイについて調べた事 
5.カガミガイの採集  
(第2章)カガミガイの生態とカガミガイの貝殻の研究
1.今年の研究テーマ
  
2.研究内容 (1)カガミガイの生態 @カガミガイの飼育観察   
A砂にもぐる速さ調べ
   Bカガミガイとアサリの浄化作用   C温度と動きの関係
(2)カガミガイの貝殻を使った研究@顕微鏡などでの貝殻の観察  
A貝殻の重さに対する強さ調べ  B微生物の入った土に対する貝殻の強さ調べ    
C身の回りの液体に対する貝殻の強さ調べ
D化石の貝についていた砂泥からの水質調べ      
(第3章)研究の結果と今後の課題
1.研究の結果
     2.今後の課題と感想  3.最後に(貝のタイムカプセル) 4.参考文献    5.お世話になった方々 
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D化石の貝に付いていた砂泥からの水質調べ

(実験の目的)
 Cの実験で酸性の液体に貝殻が弱い事がわかったので、貝を採った女河浦の海水と、化石についていた砂泥をまぜた水と、雨水 と水道水を検査してみる。

(材料)
女河浦の海水、庭で採った雨水、水道水、化石についていた砂泥、雑誌の付録に付いていたろ過する道具(大きな汚れを取るセルローズフィルター、水のにおいや色を吸いつける活性炭、水の中のイオンを取り除くイオン交換樹脂がセットされた物)、カルキ検出薬、硬水軟水の判定薬、pH測定薬、酸性雨調査薬、それぞれの水を入れる小さな容器4つ

(実施経過)
(ア)水道水をろ過する道具を使ってろ過した。その水(pH7中性)に化石についていた砂泥を混ぜたものと、水道水、雨水、女河浦の海水をそれぞれ小さな容器に入れた。


(イ)(ア)の容器にカルキ検出薬を入れて色の変化を見たら水道水だけがピンクに変化した。


(ウ)新たにそれぞれの水を替えてから硬水軟水判定薬を入れた。結果は女河浦の海水だけが赤紫色になりミネラル分の多い硬水だとわかった。


(エ)新たにそれぞれの水を替えてから、酸性雨調査薬を入れて酸性雨比色表とくらべた結果は雨水がpH4.5 〜5で他はpH6.5 以上だった。pH5.6 未満が酸性雨なのでぼくの住んでいる辺りでは酸性の雨が降っていることがわかった。


(オ)新たにそれぞれの水を替えてからpH測定薬を入れてpH比色表と比べたら水道水pH7、雨水がpH5、女河浦の海水がpH9、ろ過した水に化石についていた砂泥を溶かしたものはpH8と9の間だった。


(結果とまとめ)
実験の結果を下の表にまとめた。


Cの実験で貝殻が酸性の液体で変化したことから調べた水の実験だったが、家の庭で採った雨水がpH4.5 〜5の酸性を示したのにはおどろいた。酸性雨について調べたら、雨水は、二酸化炭素を溶かし込んでいるので完全な中性ではなく、普通でも弱い酸性を示すが、酸性雨というのは、工場や自動車などから出された亜硫酸ガスや窒素酸化物などが雨に溶けて、より強いpH5.6 未満の酸性を示すようになった雨の事で、日本の中にはpH3の酢くらいの雨が降ったところもあると書いてあった。うちのまわりは山や川など自然がかなりあるのに降っていた雨水がpH4.5 〜5の酸性だったのでこわくなって、こういう雨がずっと降っていると川の水や海の水や海岸の砂にも影きょうが出て、貝殻にも何か変化が出てしまうのではないだろうかととても気になった。