<目次>表紙
(第1章)カガミガイとの出会い
1.研究を始めたきっかけ
  2.化石の標本作り   3.発掘をした浜名湖について   4.カガミガイについて調べた事 
5.カガミガイの採集  
(第2章)カガミガイの生態とカガミガイの貝殻の研究
1.今年の研究テーマ
  
2.研究内容 (1)カガミガイの生態 @カガミガイの飼育観察   
A砂にもぐる速さ調べ
   Bカガミガイとアサリの浄化作用   C温度と動きの関係
(2)カガミガイの貝殻を使った研究@顕微鏡などでの貝殻の観察  
A貝殻の重さに対する強さ調べ  B微生物の入った土に対する貝殻の強さ調べ    
C身の回りの液体に対する貝殻の強さ調べ
D化石の貝についていた砂泥からの水質調べ      
(第3章)研究の結果と今後の課題
1.研究の結果
     2.今後の課題と感想  3.最後に(貝のタイムカプセル) 4.参考文献    5.お世話になった方々 
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5 カガミガイの採集

 生きているカガミガイをどうしても飼育してみたいと思ったぼくは、図鑑に食用とあったので、まず大きな魚屋さんに電話したら、あつかっていないとあっさり断られてしまった。それで浜名漁協に電話をしたら、やはりカガミガイはあつかっていないと断られたが、静岡県水産試験場浜名湖分場の電話番号を教えてくれた。浜名湖分場に電話をしたら後藤さんという方が「カガミガイを採るなら湖西市の女河浦海岸がいいよ」と教えてくれた。

ぼくが女河浦海岸に行ったのは7月5日だった。
7月1日に海開きをしたばかりだったので、ほとんど人がいなくて海の水も冷たかった。


アサリを採る道具を持ってぼくのこしの深さぐらいの所まで行って一時間ぐらい探したけれど、全くとれなかった。海の家の人に聞きに行ったら「もっと深いところに行かないと採れないよ」と言って大きなスコップをかしてくれた。胸ぐらいの深さの所まで行ってスコップで何回かほっていたら、砂の中から4センチぐらいの生きた丸いカガミガイが出てきた。化石のカガミガイよりもずっと小さくて子供みたいでとてもかわいかった。


午前中に一時間半、午後に一時間ほって、55個のカガミガイを採ることが出来た。出かける前に釣りの道具屋さんで教えてもらったようにカガミガイは冷凍のケースに、海水はタンクに、砂はふたつきバケツに入れて持ち帰った。


行く前にインターネットで調べたら「海の二枚貝を飼育するのはかなり難しい」と書いてあったので、浜名湖体験施設のウォットによって、実験室にいた伊藤さんに飼育の仕方を教えてもらった。家に帰ったら、まず水そうの中に砂を入れて海水を入れてその中にカガミガイを入れた。本当は全部入れたかったけれど、水そうの大きさから考えて10個ずつがせいいっぱいだったので、二個の水そうの砂の上にそれぞれ10個ずつカガミガイをおいて、それぞれにフィルター付きの循環ポンプをつけた。循環のポンプをつけないと貝が酸素不足で死んでしまうし、まめにフィルターをそうじするのがポイントと伊藤さんが教えてくれたからだ。


水そうに入れられなかったものはかわいそうだなと思ったけれど砂出しをして食べることにした。しかし一晩砂出しをしたが、アサリとはちがって全く砂をはかなかった。
←(7月5日夜)←(7月6日朝)

本当にカガミガイは食べれられるのかな。アサリなどには貝毒がある時もあるのでぼくは心配になって、インターネットで調べたら、「史上最強の潮干狩り超人」というページにカガミガイを食べた時の事が書いてあったのでそれを参考にした。
まず、殻むきで貝殻を開けてみた。固すぎて殻がわれてしまったが後でスケッチをかくために写真をとった。


生のままではうまく殻は開けられないとわかったので、ナベに熱湯をわかして、その中に入れて三分煮たら貝殻が開いたのでとりだした。煮ている間はアサリを煮ている時と同じにおいがした。ところが、にた汁を飲んでみたら、ほとんど味がしなかった。


殻から身をはずして、外とうまくをめくってみたら、黒っぽい所があった。潮干狩り超人さんのページに、「こ
こをとらないと砂っぽい」と書いてあったので、この部分を切り取って食べてみた。味はほとんどしなくて、アサリよりずっと堅かった。



だから、しょうゆとみりんにつけて軽く焼いた。味をつけてもおいしくはなかったけれど、女河浦海岸で見つけた時の事を考えると、捨ててしまうのはかわいそうだったので家族といっしょにがんばって食べた。


貝の中身をとった貝殻34個はこれからの実験用に洗ってかわかした。

 
藻がいっぱいの女河浦海岸で拾ってきた貝殻は標本にした。一番たくさん落ちていたのはアサリで、アサリの天敵のツメタガイもあった。


長さ4pのカガミガイのスケッチをかいた。