掲載日 平成29年3月15日 | 霞台遺跡群は、霞川南岸部に沿う野上町から大門、今寺におよぶ市内で最大の遺跡です。 この地域は昭和40年代半ば以降、開発が盛んとなり、それに伴う発掘調査が現在までに60回行われ、古墳時代前期だけでも数百軒規模の集落であったとみられています。 昭和56年7月に大門2丁目で発掘した住居跡には、 写真の土器は、ここから出土した、今から約1千500年前の古墳時代前期の貯蔵用の壺です。床面を覆う一番下の層に、 高さ33cm、口径20.7cm、胴の幅29cmで、首の内径は8.5cm、底部は石こうで復元しています。 横から見ると、ラッパ状に広がった口縁部の角度や、胴と口縁の幅のバランスもよく、肩の部分には縄文を模したような成形痕らしきものがあります。 この部分に直径1cm程に彩色された水玉文様が縁の内外にまで付けられ、 機能を重視したこの時代の土器は装飾という面に欠ける中、彩色された壺の発見は市内では大変珍しく、また、り災により放置された住居は当時の生活情報がそのまま残っており、残された土器から当時の生活を推測する鍵ともなる重要な遺跡です。 この土器は、郷土博物館「青梅市の文化遺産」のコーナーで展示しています。 問い合わせ郷土博物館 ☎23・6859 |
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市文化財保護指導員 鈴木 晴也 | ||
霞台遺跡群出土の古墳時代の壺 | ||