掲載日 平成15年4月15日 |
青梅縞は、青梅近郷で織られた絹と木綿の交織の織物です。縦糸は絹と木綿を交互に組、横糸には木綿が用いられています。 当地は古くから織物の生産が行われていたという記録はありますが、青梅縞の名が文献に現れるのは江戸時代の半ばごろからで、享保17年(1732)刊行の『黄金産業袋』に、その名が見えます。 また、市内森下出身の山田早苗が文政2年(1819)に著わした『御岳まうで』には、「青梅より織り出す故、青梅縞とよびて天明年中頃、いと多く織り出して、京大阪にて多く着したり」とあります。 当時、青梅縞は着尺地とされ、男女の普段着として広く使われていたものと思われます。 しかし、幕末になると他の地方から産出される織物が増えていき、徐々に衰退していったようです。 郷土博物館に展示されている3反の青梅縞は、文化文政年代(1804~1829)ごろに織られたものとされ、昭和43年に市の有形民俗文化財に指定されています。 市内在住の甲田順子さんは現存する少ない資料をもとにして青梅縞の復元に取り組んでおいでです。 藍染めの木綿と梅の幹材で染めた絹の赤茶色の縦縞が美しく、見る角度によってわずかに光沢があって手触りも、しなやかです。 この地で生まれ、多くの人に親しまれた青梅縞を郷土の文化遺産として大事にし、後世に残していきたいものです。 | |
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市文化財保護指導員 小川 秋子 | ||
参考資料『青梅文化財・史跡・天然記念物』より | 郷土資料館に展示されている青梅縞です。藍色の柔らかい色合いがいいですね。 | こちらは、青梅夜具地です。青梅が生んだ大ヒット商品です。 |