Ome navi
Aoume
  • 更新日 2017年11月22日
  • 青梅市「広報」より
    《第十一回》青梅市の文化遺産

    縄文時代じょうもんじだい美的装飾文化遺産びてきそうしょくぶんかいさん
    掲載日 平成29年11月15日

    今回は、市内にある縄文時代の遺跡から採集された装飾品について紹介します。

    縄文時代における美の追及は、土器に付けられた文様や形に限らず、人身によそおう装飾品という形でも盛んであったことが3?4千年前の遺物によって実証されています。

    ネックレスやピアスなどの装飾品を身に付けて飾る、または顔料などを塗るという行為は、美的価値を向上させる行為の代表例です。

    写真1は、藤橋の丸山まるやま遺跡から出土した土製の耳飾りで、大小ともに多数発掘されています。耳たぶに小さな穴を空け、そこに小型の飾りをはめ、次第に大きなものに替えながら、楽しんだものでしょう。大きめの飾りには中央に穴が空いています。小さい飾りには線彫りの渦巻紋うずまきもんがあることから、穴には花を飾ったのかもしれません。

    写真2は、駒木町の喜代沢きよさわ遺跡から出土した土製の耳飾りで、透かし彫り風にし、空間に美を飾るという手の込んだものです。

    また、この遺跡からは、耳飾りを両耳に付けた土偶(写真3)が出土し、当時の民俗文化の一面を私たちに無言で伝えてい ます。この他に、小玉や管玉くだだまが十数個表面採集されています。

    写真4は、小曽木の岩蔵遺跡で採集された翡翠ひすい 硬玉類こうぎょくるい)製の大珠たいしゅ垂飾たれかざり)です。青梅から数百㎞離れた新潟県糸魚川いといがわ産の石と思われます。

    原石を手に入れ、青梅で作ったものか、産地付近で作ったものを物々交換で手に入れたものか、その価値に興味を持つと同時に、穿せん孔技術や輸送経路に謎を残す遺物です。この大珠では、ひもを通すために両側から穴を空け、ずれてしまった穴をつなげようとした苦労が確認できます。

    この他にも、成木の小中尾こなこお遺跡から玦状けつじょう耳飾りの断片が、二俣尾の上生原かみおいばら遺跡などでは耳飾りが出土し、身に付けて飾るという美的装飾文化が広く存在していたことが分かると同時に、いくつかの謎を残す興味深い遺物となっています。

    問い合わせ郷土博物館

    ☎23・6859

    市文化財保護指導員
    鈴木 晴也
    耳飾り「写真1」
    藤橋の丸山遺跡から出土した土製の耳飾り
    耳飾り「写真2」
    駒木町の喜代沢遺跡から出土した土製の耳飾り
    耳飾り「写真3」
    駒木町の喜代沢遺跡から出土した、耳飾りを両耳に付けた土偶
    耳飾り「写真4」
    小曽木の岩蔵遺跡で採集された翡翠(硬玉類)製の大珠(垂飾り)
    ※写真掲載している文化遺産は、郷土博物館で公開中です。
    「広報おうめより」
    base base base