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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第五十回》ふるさとの文化財

    駒木野遺跡こまぎのいせきあと二十六b号住居跡出土土器じゅうきょあとしゅつどどき
    【東京都指定有形文化財】
    掲載日 平成17年5月15日

    市内に数多く存在する縄文時代の遺跡のうち、駒木野遺跡から出土した縄文土器が平成17年2月22日付けで都指定有形文化財に指定されました。この土器は、平成4年11月から5年12月まで行われた青梅簡易保険保養センター改築工事に伴う発掘調査で発見されたものです。今から約4干500年前、縄文時代中期の勝坂様式末期に位置する。器面の文様が最も華やかに飾られた時代のものです。

    写真左側の土器は、全高33.3㎝、最大径30㎝、縄文はまったく撫く、装飾全体を主に粘土ひもの貼り付けによる隆起した線で表しています。なかでも口縁部に施された80個あまりの小さな円状の装飾は見事なものです。写真右側の土器は、全高42.7㎝、最大径35㎝、口縁部には大小が向き合った形で中空の把手とってが付けられています。区画された胴部上部全面には縄文が施され、底部からの立ち上がり部分は無文、その他の場所には渦巻状の文様や三文が施されています。

    また、二つの土器を形から見ていくと、口縁部が『く』の字状に強く屈曲した作りとなり、中空の把手や突起はなにかを意味するか のように、向き合って四か所つけられています。胴部は極端に細められ、底部までを算盤玉そろばんだまの形に仕上げているところにこの土器の大きな特徴があります。これらの土器は、装飾性に高度な水準を示す縄文土器の逸品として貴重であることから今回新たに指定となりました。また、前記縄文土器のほかに、つけたり指定として、同じ住居跡から出土した加曾利E様式など11点も指定されています。 加曾利E様式は勝坂様式の次にあたる様式です。 同じ住居跡から出土した11点の土器は、この様式の移行期に属する時期を決定させる土器として貴重であるため附指定となりました。

    市内では、このほかに、市指定有形文化財が4点、国重要文化財1点の考古資料があります。 今回指定された土器は、9月19日まで郷土博物館に展示されていますのでご覧ください。

    市文化財保護指導員
    鈴木 晴也
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