掲載日 平成26年10月15日 |
並木家 並木家は初め甲州の武田氏に仕え、後に小田原北条氏に仕えていましたが、江戸時代には帰農し、代々村の これら6通の文書は、すべて戦国時代の武将北条氏照(1540?~1590年・八王子城主・当時青梅地方を治めていた三田氏を滅ぼす)からの書状(命令書)です。 一番古い書状(①)は、永禄9(1566)年に良質の紙を上納するように命じているものです。また、天正6(1578)年の文書(②)には、最前線の重要な拠点である小山(栃木県小山市)へ向かい、現地の守備につく事、もし遅れたら切腹させられる事とあり、天正11(1583)年の文書には、ご出馬が差し迫っているので先に言い渡した軍法通り夜中でも嫌わず集合する事、小田原へご参府の折には油断なく支度をし、直にお供をするようにとの事。さらに天正12(1584)年の文書には、小田原出陣の際には小旗を新しくし、弓や槍は不足なく支度するように厳しく言い渡されています。 このように戦国時代の武士の在り方を知る資料として極めて貴重なものであり、数少ない中世文書として、昭和51年に市の有形文化財に指定されました。 並木家と文書については、青梅市史史料集第56号「皇国地誌・西多摩郡村誌(下)」南小曾木村の項に詳しく載っています。また、10月25日から11月30日まで郷土博物館でこの資料を特別公開します。 問い合わせ 郷土博物館電話23-6859 | |
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市文化財保護指導員 儘田小夜子 | ||
並木家中世文書① 永禄9(1566)年の文書 | ||
並木家中世文書② 天正6(1578)年の文書 | ||