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  • 更新日 2014年5月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百五十八回》ふるさとの文化財

    「重要文化財」じゅうようぶんかざい「寺改戸遺跡土壙出土品」てらかいといせきどこうしゅつどひん
    【国指定重要文化財】
    掲載日 平成26年5月15日

    玉泉寺から西側の地域は寺改戸遺跡てらかいといせきという縄文時代の遺跡です。昭和49(1974)年、下奥多摩橋の取り付け道路の敷地内を調査し、20か所分に及ぶ土壙どこう(お墓)が見つかりました。その内の9号土壙の東端から副葬品と思われる、注口土器ちゅうこうどき小形深鉢形土器こがたふかばちがたどきが隣り合って出土しました。これは今から3千500年ほど前の縄文時代後期の土器で、加曾利B1.式かそりびーいちしきにおける代表的な土瓶どびんです。

    精製された粘土により作られ、焼成しょうせいにより黒く仕上がった面はヘラなどにより輝くほど磨かれています。器面に描かれた沈線ちんせんで囲まれた部分には、いわゆるり消しの方法により細かい縄文が施されています。

    注口土器の高さは12cm、最大幅12cm、口径5・6cm、底径6・8cm、容量410mlで、ふたはありません。

    小形深鉢形土器は口縁部内側に一条の沈線が引かれており、高さ6・3cm、口径9・4cm、底径7cm、容量230mlです。

    土瓶の容量を満杯にせず、一般的な量でこの器に注いだとすると、約八分目の量で二杯分が注げる事となります。

    出土状況が詳細に記録されていることや、均整のとれた形と加曾利B1.式土器の典型的な文様が施され、かつ完形のままで出土したことなどを理由に、平成5年1月に重要文化財に指定されました。

    注口土器と小形深鉢形土器が一緒に出土した例は、国内ではあまり例を見ないということも重要な事柄となっています。

    青梅市内で出土した考古学資料の国指定物件は、この遺物のみで、毎年10月下旬からの文化財ウィーク期間中、郷土博物館2階に展示しますので、数千年前の人々の技術の素晴らしさを味わってみてください。

    問い合わせ 郷土博物館電話23-6859

    市文化財保護指導員
    鈴木 晴也
    釈迦如来坐像
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