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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第七十九回》ふるさとの文化財

    赤糸威鎧あかいとおどしよろい
    【国 宝】
    掲載日 平成19年10月15日

    青梅市にある多くの文化財の中で、「赤糸威鎧あかいとおどしのよろい」は国宝に指定されている2点のうちの1つです。この鎧は、武蔵御嶽神社に神宝として大切に保存されてきた平安時代後期の大鎧で、武蔵国府の最高権力者であった畠山重忠奉納と伝えられています。武士の棟梁とうりょうが着用する甲冑かっちゅうとして、平安期の洗練された優雅さと武具の重厚さを併せ持ち、全重量は25.85㎏あります。同時代の大鎧は、広島県厳島神社いつくしまじんじゃの小桜威、愛媛県大山祇神社おおやまずみじんじゃ逆沢瀉威さかおもだかおどし等、十余領にすぎません。その中でほぼ完存する最古の物で日本を代表する大鎧です。江戸時代、将軍吉宗・家治が上覧し、寛政12年(1800)松平定信が古器物の名品を記録した『集古十種』に記載され、有名になりました。

    鎧は「さね」という小さな板状にした鉄や革を、「威毛おどしげ」という緒(糸または細い革)でつないで作ります。緒でつなぐことを「緒通し」の意味から「威」といいます。「赤糸威」「黒革威」「小桜威」などという鎧の名称は、威毛の色・材質・文様を冠してよばれています。

    赤糸威鎧の赤糸は、往事は植物染料のあかねで染められ今も鮮やかな赤色を保っています。しかしその技術は伝承されず、明治36年(1903)の補修では鉱物染料で染められ、その部分は現在退色しています。

    赤糸威鎧は、武蔵御嶽神社宝物殿(土・日曜日、祝日開館)に展示されています。

    市文化財保護指導員
    三好 ゆき江
     参考資料『青梅文化財・史跡・天然記念物』より
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