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  • 更新日 2014年9月18日
  • 青梅市「広報」より
    《第百六十二回》ふるさとの文化財

    黒漆塗三組大盃くろうるしさんくみおおはい
    【市指定有形文化財】
    掲載日 平成26年9月15日

    武蔵御嶽神社の宝物殿には、太刀や甲冑かっちゅうなどの武具が数多く収蔵されていますが、工芸品として価値の高い指定文化財も数多くあり、そのうち、黒漆塗三組大盃も青梅市指定有形文化財です。直径二尺四寸、二尺七寸、三尺の木製三つ組の盃で、それぞれ二斗、三斗、四斗の酒が入ると表記されています。一升瓶90本分の酒が入るとは思えませんが、実際には直径73・0~73・5cm、82・0~82・7cm、92・0~92・5cm、高さ23・5cm、27cm、31・5cmの大きさで、重さはおおよそ5・6kg、7・8kg、11・0kg。盃の表面には扇や丸、六角などの模様が浮き彫りされ、黒漆に金箔で縁取られた重厚で全て大作りの品です。この大盃を載せている木製三方も朱塗りに金箔が施された大きなもので、三方上部の折敷おしきは約72cm角、全体の高さが50cmあります。

    島原の乱平定の折、徳川家光の御前で、小倉藩主小笠原氏がこの盃で酒を飲んだと伝えられ、武蔵国橘樹郡下丸子むさしのくにたちばなぐんしもまるこ(現大田区)の白井太郎兵衛氏奉納とされています。新編武蔵風土記稿によると下丸子は現在南に流れている多摩川が、永禄の頃は村の北を流れ、元禄14(1701)年に初めて荏原郡に属すとあり、神社への奉納は現在の川崎市側に下丸子が属していた頃と思われます。

    今年、元青梅市文化財審議会委員 齋藤愼一先生監修の解説ビデオを神社が作成しました。希望者は宝物殿内で見られます。収蔵品の価値を再認識できる良い機会ですので、行ってみてはいかがでしょうか。開館は土・日曜日、祝日となっています。

    問い合わせ 郷土博物館電話23-6859

    市文化財保護指導員
    須﨑直洋
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    黒漆塗三組大盃
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