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  • 更新日 2014年9月18日
  • 青梅市「広報」より
    《第百十一回》ふるさとの文化財

    宝寿丸太刀ほうじゅまるたち
    【国指定重要美術品】
    掲載日 平成22年6月15日

    武蔵御嶽神社には歴史を語る数多くの宝物が残されています。それらは、当時としては最高の技術により製作し、奉納という形で残し、今日へと受け継がれています。これらの中で、今回は宝寿丸太刀ほうじゅまるたちと他の武具についてご紹介します。

    この太刀は、昭和23年4月27日、国の重要美術品として指定されたもので、国の重要文化財の宝寿丸黒漆鞘太刀ほうじゅまるこくしつさやのたちとはついのものでなかごに彫られた宝寿や正中しょうちゅうなどの文字によりその歴史が見えます。宝寿は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて奥州平泉に存在した(刀匠とうしょうの銘で、そこから宝寿丸と呼ばれています。また、この太刀は畠山重忠奉納といわれていますが、正中(1324~1326)は、畠山重忠没後120年ほど経過した時代の元号であることから、この説は伝説的な面も否めない内容となっています。そして、この太刀は江戸時代に行方がわからなくなったものの、昭和に入って偶然にも市内で発見され、武蔵御嶽神社へ戻されたという逸話が残る太刀です。

    このほか、指定外の武具で、室町時代に製作されたこしらえのまま存在する長巻ながまきの太刀。これは、茎を長く作り、つばを付け、の部分になどを巻きつけ、人馬の脚をぎ払うのに使われたとされています。また、飛び道具では、鉄製やじりがあります。享保4年(1719)11月30日御嶽権現内陣神宝目録には、『根矢六本、内平根壱本、揚材からし壱本、鯖尾 脱 四本』とあります。共に鏑矢かぶらやに付ける鉄鏃で、最も長い平根透ひらねすかしのもので長さ42cm、重さ96g、銘に信國とあり、実用では無く、奉納用として作られたもののようです。鏑矢は流鏑馬やぶさめにも使われることから、武蔵御嶽神社で行われる流鏑馬神事に関する宝物とも考えられます。

    以上のように、武蔵御嶽神社における歴史の実証は武具に残る銘やその作風、そして金井家文書に残された宝物全般にわたる管理上の記録などにより当時の宝物の存在が明らかになっています。歴史年表片手に宝物殿での歴史の追究を楽しんでみてはいかがでしょうか。御嶽神社宝物殿は御嶽神社境内にあります。土・日曜日・祝祭日の午前9時30分から午後4時30分まで開館しています。平日の拝観を希望される方は社務所へお問い合わせください。入館料は大人300円・小人150円です。

    市文化財保護指導員
    鈴木 晴也
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