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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百十六回》ふるさとの文化財

    武蔵御嶽神社銅製鰐口むさしみたけじんじゃどうせいわにぐち
    【東京都指定有形文化財】
    掲載日 平成22年11月15日

    武蔵御嶽神社銅製鰐口わにぐちは、直径34.7cm、厚さ15.5cmで、重さは8.5kgあります。中央がややふくらんだ鼓面は外区、内区、撞座つきざ区と三条の線で区画され、撞座区の中心には八葉の蓮華れんげ文が鋳出されています。鰐口の語源にもなっている側周の下半分は口のように大きく割れています。

    都内最古の鰐口として昭和27年東京都指定有形文化財になりました。古くは社殿に掛けられていたということですが、現在は武蔵御嶽神社宝物殿に展示されています。

    側周面の上部、左右吊手つりての間に、二行にわけて「武蔵国金剛蔵王護現鏡 大工入河重吉」「建武五年戊?ぼいん三月十一日 安ア国家」と刻んであります。 銘文中の「?」は「寅」、「ア」は「部」で、このような文字を異体文字と言います。また「護」は「権」、「鏡」は「鐘」の誤りだと言われています。

    武蔵国の金剛蔵王権現(古い時代の御嶽神社の呼び名)の鐘(鰐口)の大工(中世の金工師の呼び方)は入河(埼玉県入間郡)の重吉で、建武五(1338)年三月十一日に安部国家が奉納したという銘文です。蔵王権現は山岳修験道の信仰対象であり、その力強い姿から、平安時代以降多くの豪族や武士の信仰を集めてきました。鰐口の奉納者である安部国家もその一人と思われます。

    大きな重い鰐口と銘文により、今から672年前の室町時代前期、武蔵御嶽神社にはこの鰐口を掛けるような立派な社殿が存在したということがわかります。

    鰐口は前面に垂れた鉦緒かねのおという布縄を参詣者が打ち振って音を出します。御嶽の山々に鰐口の音が響きわたる様子が想像できる優れた一品です。

    武蔵御嶽神社宝物殿は武蔵御嶽神社境内にあります。土・日曜日、祝日の午前9時30分から午後4時30分まで開館しています。平日の拝観を希望される方は社務所電話78-8500へお問い合わせください。入館料は大人300円・小人150円です。

    なお、青梅市郷土博物館にはレプリカが展示されています。

    市文化財保護指導員
    小島 みどり
     参考資料
    『青梅文化財・史跡・天然記念物』より
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