掲載日 平成21年1月15日 |
国が指定した重要文化財のうち、世界文化の見地から価値の高いものでたぐいない国民の宝物を特に「国宝」と規定しています。細かくは、建造物・絵画・彫刻等に分類されていますが、これからご紹介する 武蔵御嶽神社に伝わるこの鞍は、武蔵名勝図会によれば、文暦元年(1234)、御嶽山の中興開基である散位 金覆輪とは周縁部に金を施した棒状の物で補強したもので、円文螺鈿とは鮑貝等の真珠光を放つ部分を蛇の目模様の薄片にして木地にはめ込んだもので、黒漆の地に螺鈿がキラキラと輝くさまは見事です。 鏡鞍とは、元々は御幸用のものでしたが、平安時代末期からは軍陣にも用いられていたそうです。この鞍は、付属品として ところで、全国には、国宝がない県が4つあるそうですが、広報おうめ「平成19年10月15日号」(三好指導員)で紹介した赤糸威鎧(あかいとおどしのよろい)と、この金覆輪円文螺鈿鏡鞍と青梅市には2つの国宝があり、他に誇れることであると思います。 またこの鞍は、今年秋からニューヨークに渡り、メトロポリタン美術館での展示が決まったそうです。実にすばらしいことであると思います。 | |
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市文化財保護指導員 神森 正 | ||
参考資料『青梅文化財・史跡・天然記念物』より | ||