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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百四回》ふるさとの文化財

    武蔵御嶽神社むさしみたけじんじゃ神輿みこし
    【青梅市指定有形文化財】
    掲載日 平成21年11月15日

    武蔵御嶽神社に伝わる神輿は、昭和43年に市の文化財に指定されました。

    大正14年発行の『東京府史蹟名勝天然記念物調査報告書第三冊』に、「現今の神輿は元禄年間将軍綱吉の当社再建の時奉納せるものなるも、其の製作に際して以前存在せし神輿の金具の一部を襲用せしものにして頂上及四重の鳳凰五個、華蔓けまん四個、幢幡どうばん四個等は全く足利時代の製作に属す、共に鍍金銅製にして精細なる彫刻を為し…」、とあり神輿本体の重厚さはもとより、装飾金具は足利時代の荘厳さを残すものです。屋根と台輪には三つ巴と三つ葉葵の飾り金具がほどこされ、台輪は約120cm四方で重量感のある神輿です。

    この神輿が奉納されたころの谷合氏見聞録には、元禄12年8月15日百年来の大風、翌年2月御嶽山御普請入札と記され、大風により社殿が大きな被害を受け、元禄13年(1700)に幕府による修理が行われたようです。

    この神輿は古くより御嶽神社で最も重要な祭礼である「日の出祭」に渡御とぎょ(祭礼の際に神輿がお出ましになること)されていました。江戸時代の祭礼役割帳には、神輿警固役が必ず記されています。日の出祭は江戸時代には2月8日、山開きの入峰儀式として行われていました。祭の所役は一週間みそぎして心身共に清め、はれて神社に詣でることができるのです。祭礼日は明治時代に太陽暦が採用されて3月になり、昭和26年のケーブルカー再開後は5月に変更され、平成17年には台輪が約90cmの複製神輿に替わりました。祭本来の意義は失われましたが、今日でも最も重要な例祭となっています。また、元の神輿は複製と共に宝物殿に展示されています。

    市文化財保護指導員
    須﨑 直洋
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