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  • 更新日 2014年1月13日
  • 青梅市「広報」より
    《第百五十三回》ふるさとの文化財

    懸仏かけぼとけ
    【青梅市指定有形文化財】
    掲載日 平成26年1月15日

    懸仏かけぼとけは御正体みしょうたいとも言われ、鏡面に仏・菩薩像・神像などを半肉彫はんにくぼり、あるいは線刻したものです。御神体としての鏡に本地仏ほんじぶつが現れるという発想に基づき、神社や寺に奉納されています。

    武蔵御嶽神社の宝物殿には、大小四面の懸仏が保存され、いずれも蔵王権現の御姿を現し、三面は銅製、一面は鉄製です。銅製の懸仏のひとつが、市の有形文化財に指定されています。

    この懸仏は、円形で、直径約45.5cmの大きさで、中央には、身丈約27.5cmの蔵王権現が右手を挙げ、その横には花瓶と花が置かれています。

    鏡面には、幅約1.7cmの外縁が付けられ、14か所に直径1cm前後の突起が付いています。その内側には直径約34.6cmで、幅数ミリの隆起円が描かれ、外縁との間には、何を意味しているのかは解りませんが、文様が描かれています。右上と左上には、吊り下げるためのひもを掛ける耳が付いています。

    裏面の縁で鏡面の厚さを測ると、その厚さは3mm前後です。蔵王権現の背面に当たる位置には、長さ約28cmの留め具が付いています。

    この銅製懸仏には、文字が彫られていないため、誰が、いつごろ、武蔵御嶽神社に奉納したかは不明ですが、全体の造りから鎌倉時代の製作と推定されています。かつては本社殿内に掲げられていました。

    武蔵御嶽神社宝物殿は、土・日曜日、祝日の午前9時30分から午後4時まで開館。拝観料は、大人300円、小人150円です。

    市文化財保護指導員
    角田 清美
    懸仏
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