小曽木の聞修院(モンシュウイン)の前の木橋には、大きな青大将(アオダイショウ)が二匹住みついていた。
天気のいい日には、二匹のヘビは長ながと橋の上で日なたぼっこをしていた。
お寺に用事がある人は、
「おヘビさま、ちょっくら通してくだせえよ。」 と、声をかけるとヘビはするするといなくなるのだった。
ときどき、押売りやこそどろが通りかかった。
「おヘビさま、ちょっくら・・・・・。」
ということばを知らない押売りやこそどろが、橋を渡ろうとしてもヘビは動かない。
通るに通れず、すごすご逃げだしたということである。